AIチップの覇者エヌビディア(NVDA)が、現金保有額570億ドルという巨額資金を背景に、新たに600億ドル規模の自社株買い計画を発表しました。この決定を受け、ウォール街ではその是非を巡って議論が活発化しています。
急成長企業に自社株買いは適切か?
エヌビディアは2025年度上期だけで243億ドルの自社株を買い戻しており、今回の発表は、2024年に承認された500億ドル計画をさらに拡大する形となります。これで3年連続で大規模な買い戻しとなります。
一部のアナリストは、このような急成長企業が自社株買いに多額の資金を使うことに懸念を示しています。フリーダム・キャピタル・マーケッツのポール・ミークス氏は、成長余地のあるテック企業こそ、新製品やAIロボティクスなど「フィジカルAI」への研究開発に資金を投じるべきだと主張しています。
エヌビディアの買い戻しに肯定的な見方も
一方で、ナヴェリエ・アソシエイツの創業者ルイ・ナヴェリエ氏は、自社株買いは投資家への自信の表れだと見ています。とくに中国との地政学的リスクやH20チップに関する不確実性がある中、同社の株価が若干下落したこともあり、買い戻しはタイミングとして理にかなっていると評価しました。
また、CFRAリサーチのアナリストであるアンジェロ・ジーノ氏も、成長率の鈍化が予想される中、今後はフリーキャッシュフローの還元が投資家にとってより重要なテーマになると述べています。
M&Aが制限される中での最適な資本配分手段?
D.A.デビッドソンのギル・ルリア氏は、エヌビディアの成長投資や買収が制約されている現在、自社株買いが現金の有効活用手段のひとつだとしています。また、Futurum GroupのCOOであるダン・オブライエン氏も、余剰資金をただ保有するのではなく、株主還元か非公開市場への投資が最も合理的だとコメントしています。
エヌビディアの今後に注目が集まる
今回の発表は、エヌビディア経営陣が自社株の将来性に強い信念を持っていることを示すものであり、株価の長期的な上昇を見込んでいる姿勢とも取れます。巨大企業となった今、資本配分の巧拙が今後の評価に直結するフェーズに入りつつあるようです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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