2025年8月末時点で、ヘルスケア株が「過去20年で最も割安」となる水準にまで下落しているという分析が注目されています。バロンズが紹介した独立系マーケットリサーチャーのジム・ポールセン氏の見解によると、現在のバリュエーションは投資家心理の過剰反応による「パニック価格」と見なせるそうです。
XLVが12%下落、S&P500は15%上昇というコントラスト
ヘルスケア株の代表的なETFであるヘルスケア・セレクト・セクター SPDR(XLV)は、過去1年間で約12%下落しています。一方、S&P500は同期間で15%上昇しており、両者のパフォーマンス格差が拡大しています。イーライ・リリー(LLY)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アッヴィ(ABBV)といった主要銘柄も軒並み下落しています。
PERで見ても割安、さらに踏み込んだ評価指標とは?
現在のヘルスケアセクターの予想PER(株価収益率)は16.6倍と、前年の19.7倍から大きく低下しています。これに対し、S&P500の他のセクターはむしろバリュエーションが拡大しており、相対的に割安感が強まっています。
しかし、ポールセン氏はさらに一歩踏み込み、独自の「P-D比率(株価÷インフレ調整済み薬価)」に注目しています。これは、医薬品価格との比較を通じて、株価水準の実態をより正確に把握しようとする試みです。
P-D比率が2000年以来の最低水準に
ポールセン氏によると、P-D比率は2022年に約0.17でピークを迎えた後、現在は0.1にまで低下しています。この水準は2000年以降で最も低く、過去30年以上で見ても最低水準に近いとのことです。
背景には、インフレ調整済みの医薬品価格が7年連続で下落しているという事実があります。バイオシミラーの台頭や、GLP-1系の新薬開発競争、政府によるメディケア・メディケイド支払い制度の変更などがその一因です。
株価の下落幅は薬価以上、悲観が行き過ぎた可能性
注目すべきは、薬価が下がっているにもかかわらず、それ以上のペースでヘルスケア株が売られている点です。ポールセン氏は「これは明らかに投資家の過剰反応を反映した現象であり、ファンダメンタルズから大きくかけ離れている」と述べています。
今こそ長期視点で再評価すべきタイミングか
もちろん、いつ株価が本格的に反転するかを予測するのは困難です。しかし、20年以上ぶりのバリュエーション水準まで売り込まれている今、ヘルスケア株を長期的な視点で見直す好機と捉える投資家も増えそうです。
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