クラウドストライク、控えめなガイダンスでも株価上昇の理由

サイバーセキュリティ大手のクラウドストライク(CRWD)は、2025年8月27日に発表した第2四半期決算で、売上ガイダンスが市場予想を下回ったものの、株価は上昇しました。本記事ではその背景と、今後の成長可能性について解説します。

売上ガイダンスは期待外れも、アナリストは強気を維持

クラウドストライクは、主力製品であるエンドポイントセキュリティプラットフォーム「Falcon」で知られています。今回発表された2025年第3四半期の売上予想は、12.1億ドルから12.2億ドルのレンジであり、ファクトセットの市場予想(12.3億ドル)を下回りました。

それにもかかわらず、ジェフリーズのアナリストであるジョセフ・ギャロ氏は、「非公開企業のデータ可観測性プラットフォームOnumの買収がガイダンスに含まれていない」と指摘し、さらなる上振れの可能性があると述べています。

ギャロ氏は「買い」評価を継続し、目標株価を530ドルから500ドルに引き下げました。また、D.A.デビッドソンのアナリストであるルディ・ケシンジャー氏も「買い」を継続し、目標株価を530ドルから490ドルに調整しました。

年間売上予想はわずかに引き上げ

売上ガイダンスは弱めでしたが、クラウドストライクは通期売上予想の下限を47.4億ドルから47.5億ドルに引き上げました。

ギャロ氏は「ARR(年間経常収益)の増加が売上に反映されていない理由は明確ではないが、パートナー向けにディスカウントやインセンティブを提供している影響が短期的な逆風になっている可能性がある」と指摘しています。

2024年のIT障害の影響が続く

昨年発生した大規模なIT障害は、クラウドストライクが提供したソフトウェアアップデートに起因し、マイクロソフト(MSFT)のPC用OSに不具合を引き起こしました。これにより銀行、航空会社、証券取引所などが広範囲で機能停止に陥りました。この障害によって、クラウドストライクの株価は2週間で40%も急落した経緯があります。

その後、顧客の信頼回復を目的とした「Customer Choice Program(CCP)」を展開していますが、これが短期的な売上の重しとなっている可能性もあります。

決算内容は予想を上回る好結果

売上ガイダンスが控えめだった一方で、クラウドストライクの第2四半期の調整後EPS(1株あたり利益)は0.93ドルと、アナリスト予想の0.83ドルを上回りました。売上は11.7億ドルで、こちらも予想を上回る結果となりました。

ARR(年間経常収益)は前年同期比で20%増加し、約47億ドルに達しました。この成長は市場予想を超えるものであり、事業の基盤がしっかりしていることを示しています。

市場反応と今後の見通し

発表翌日の8月28日の米国市場で、クラウドストライクの株価は2%上昇し、431ドルで取引されています(米国東部夏時間12:10現在)。

クラウドストライクは一時的な逆風に直面しているものの、ARRの成長や買収による拡張性を踏まえると、中長期的には成長の余地が残されていると見る向きが多い状況です。

*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD

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