クラウドベースのデータウェアハウスを提供するスノーフレーク(SNOW)が、第2四半期決算で市場予想を上回る業績を発表し、株価が8月27日の時間外取引で急騰しました。AI活用の広がりと堅調なデータ需要が同社の成長を後押ししています。
売上・利益ともに予想を上回る
スノーフレークは2025年第2四半期において、調整後1株当たり利益が35セント、売上は11億4,000万ドルを記録しました。これは、ファクトセット調べのアナリスト予想(1株利益27セント、売上10億9,000万ドル)をいずれも上回る結果です。
今後についても強気な姿勢を見せており、第3四半期の製品売上高を11億2,400万~11億3,000万ドルと見込んでいます。これは市場予想の11億2,100万ドルを上回る水準です。
通期の製品売上高見通しも44億ドルに引き上げられ、前回の43億3,000万ドルやウォール街の予想(43億4,000万ドル)を上回っています。
AIとデータの融合で成長加速へ
スノーフレークの最高経営責任者(CEO)スリダー・ラマスワミ氏は、「データとAIによってすべての企業がその潜在能力を最大限に引き出せるよう、我々には非常に大きなチャンスがある」と述べ、今後の成長に強い自信を示しました。
エバコアISIのアナリスト、カーク・マターン氏は、同社が常に保守的なガイダンスを出す傾向にある点に言及し、今回の決算結果と通期見通しの引き上げは、データウェアハウス事業の堅調な需要を裏付けるものだと評価しています。同氏はスノーフレークを「アウトパフォーム」と格付けし、目標株価を240ドルとしています。
これらのポジティブな要素を受け、スノーフレークの株価は時間外取引で13.2%上昇し、226.9ドルとなりました。
AI関連株の熱狂と慎重な見方
スノーフレークの株価は年初来で30%上昇しており、AI競争への期待が強まる中で投資家の関心を集めています。ただし、7月7日に記録した年初来高値225.79ドルからは11%下落している状況です。
一部のアナリストやオープンAIのCEOサム・アルトマン氏は、AIへの投資熱が過熱していると警鐘を鳴らしています。マサチューセッツ工科大学(MIT)の調査でも、AI導入企業のうち実際に業績に寄与したのは5%に過ぎないという厳しい結果が報告されました。
データブリックスとの競争にも注目
同業のデータブリックスは8月に新たな資金調達ラウンドを実施し、企業評価額は1,000億ドルに達すると報じられました。これは前回(2024年12月)の調達時から61%の増加です。一方で、スノーフレークの時価総額は650億ドル程度にとどまっています。
D.A. デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は、「両社はAIや機械学習分野で重なる部分があるものの、それぞれの分野で十分な成長余地がある」と述べ、競争激化を過度に懸念する必要はないとの見解を示しました。同氏はスノーフレーク株を「買い」と評価し、目標株価を250ドルに設定しています。
まとめ
スノーフレークは今回の決算で、堅調な売上とAIを活用したデータ需要の広がりを武器に成長を続けていることを印象づけました。競争が激化する中でも、積極的なガイダンスと市場の期待に応える実績が、今後の株価動向を後押しする可能性があります。
*過去記事はこちら スノーフレーク SNOW
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