2025年8月28日、エヌビディア(NVDA)の決算発表を受けて株価はプレマーケットで一時2%下落しました。投資家の一部では「成長鈍化か?」と懸念の声も上がりましたが、米投資情報メディア「バロンズ」は、冷静な視点で「パニックになる必要はない」と論じて、その理由を3つあげています。本記事では、その内容を紹介します。
理由① 年間成長率50%超を維持している
今回の四半期でエヌビディアの売上は前年同期比で56%増加しました。確かに過去2年間で最も低い成長率ではありますが、これはすでに巨額の売上規模に達している企業としては驚異的な水準です。
アナリストのブレイン・カーティス氏(ジェフリーズ)は「1億ドル未満の期待外れは、全体像を大きく損なうものではない」とし、目標株価を200ドルに設定しています。株価は決算発表後に177ドル台に下落しましたが、依然として力強い成長トレンドにあると評価されています。
理由② 中国市場での販売は今後に期待
7月期には、中国向けの新型チップ「H20」の販売が行われなかったことも一因でした。米国政府の許可が下りていたにもかかわらず、中国当局が現地企業に購入を控えるよう通達したと報じられています。
エヌビディアは、H20の第3四半期の売上見込みをゼロとしていますが、CEOのジェンスン・フアン氏は、中国市場が年率50%成長で500億ドル規模に達する可能性に言及しており、将来的な「ブラックウェル・チップ」の展開にも期待がかかります。仮にH20の販売が再開されれば、20億~50億ドルの売上追加要因になるとの見方もあります。
理由③ AI投資の勢いは衰えていない
エヌビディアの将来を支える最大の要素は、大手テック企業によるAIインフラ投資です。マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)といった巨大企業がAI分野への巨額投資を継続しており、CEOフアン氏は「今後5年間で3~4兆ドルの投資が行われる」と予想しています。
同社のチップがAI計算の中心的存在であり続ける限り、今回の決算は一時的な調整に過ぎないと見なすべきでしょう。
今回のまとめ
バロンズの記事は、短期的な期待外れに一喜一憂するのではなく、以下の3点を踏まえてエヌビディアの強さを再認識することが重要だと指摘しています。
- 売上は依然として前年比50%超の成長
- 中国市場での販売再開の可能性が残されている
- 世界的なAI投資ブームが継続している
今後もAIの中核を担う企業として、エヌビディアは引き続き注目すべき存在です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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