中国版エヌビディア?カンブリコン株がAI需要で急成長

エヌビディア(NVDA)は、中国市場に向けたH20プロセッサーの生産に関して一部のパートナーに作業中止を指示したと報じられています。これは、中国政府が国内企業に同社製品の購入を控えるよう求めたことが背景にあるとされています。今後、エヌビディアが中国市場でどの程度ビジネスを継続できるかは不透明な状況です。

カンブリコンの急成長

一方で注目を集めているのが中国の半国有チップメーカー、中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)です。同社の株価は過去1年間で5倍以上に上昇し、エヌビディアに代わるAIチップの選択肢として存在感を高めています。2025年上半期の売上高は約288億元(約4億2800万ドル)と前年比で約4000%の急増を記録し、純損失から純利益へと転換しました。この成長はAIコンピューティング需要の高まりによるものです。

ディープシークとの関係

カンブリコンの潜在的顧客には、中国のAIスタートアップであるディープシークが含まれます。同社は今年、西側の競合に匹敵するAIモデルを低コストで開発したと発表し注目を集めました。さらに、ディープシークは最新モデルにおいてエヌビディア製品ではなく国産チップに適した形式を採用すると明らかにしています。

市場シェアと競争環境

市場全体では、エヌビディアが中国向けに約100万個のH20チップを出荷し、ファーウェイは約64万個のAIプロセッサーを販売したと推計されています。これに対してカンブリコンの出荷数は今年約14万3000個とまだ小規模ですが、今後の成長余地は大きいとされています。

新製品と性能比較

カンブリコンの次世代プロセッサー「思元690」は、エヌビディアのH100に近い性能を持つと報じられています。米国の輸出規制に対応するため機能を制限したH20より優位に立つ可能性がありますが、電力効率やソフトウェア互換性といった点で直接的な比較は難しい部分もあります。

投資家にとっての懸念点

カンブリコンの成長は目覚ましいものの、投資家が注意すべきはそのバリュエーションです。同社は現在、予想株価収益率(PER)が約235倍に達しており、エヌビディアの34倍と比較すると非常に割高な水準となっています。政策依存度が高い点もリスク要因です。


このように、中国のAI市場はエヌビディアとカンブリコンを中心に大きな転換点を迎えています。投資家にとっては成長性とリスクを慎重に見極めることが重要です。

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