バフェット氏、三菱商事と三井物産の保有比率を引き上げ──日本株への強い信頼

  • 2025年8月28日
  • 2025年8月28日
  • BS余話

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は、日本の大手総合商社への投資姿勢をさらに強めています。三菱商事(8058)および三井物産(8031)の保有比率をそれぞれ引き上げたことが明らかになりました。

この動きは、2019年から継続的に行われている5大商社(丸紅、伊藤忠商事、住友商事を含む)への投資の一環であり、バフェット氏の日本市場に対する確信がより強まっていることを示しています。

三菱商事と三井物産の保有比率が10%超に

三菱商事は、バークシャー傘下のナショナル・インデムニティ社が同社株の保有比率を9.7%から10.2%へ引き上げたと公表しました。三井物産も、バークシャーが保有比率を引き上げたことをブルームバーグに対して明らかにしています。

バークシャー・ハサウェイはすでに丸紅(8002)、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)にも出資しており、全5社に対して10%超の出資を行う意向を2025年初頭に日本の金融庁へ届け出ていました。

なお、バークシャー側は出資比率を20%以上には引き上げず、日常的な経営への関与も行わないと明言しています。

長期保有方針とその理由

2025年の年次報告書の中で、バフェット氏はこれらの商社株を購入した理由について次のように述べています。

「私たちは単にこれらの企業の財務データを確認し、その株価が驚くほど割安であることに気づいた。年月が経つにつれて、これらの企業への敬意は一層深まった。グレッグ・アベルは何度も彼らと会談しており、私自身も彼らの進捗を継続的に追ってきた。私たちは、彼らの資本配分、経営陣、そして投資家への姿勢を高く評価している」

「5社はいずれも、適切なタイミングで増配を行い、合理的な場面で自社株を買い戻している。加えて、米国企業と比べて経営陣の報酬体系が控えめである点も評価に値する」

「グレッグ・アベル、そして彼の後継者たちも、これらの日本株を今後何十年にもわたって保有し続けることになるだろう」

為替面でのメリットも大きい

バークシャー・ハサウェイは、これらの日本株投資において円建ての社債を活用しています。バフェット氏によれば、年間の円建て債務の利払いコストは約1億3,500万ドルになる見込みですが、それに対して受け取る配当収入は8億1,200万ドルに達するとのことです。これは非常に魅力的な利回り差であり、財務的にも合理的な判断といえます。

日本株ETFも堅調に推移

参考までに、日本株全体を対象とするETFである「iシェアーズMSCIジャパンETF(EWJ)」は、2025年年初からの上昇率が17%となっており、S&P500を上回るパフォーマンスを示しています。

このように、バークシャー・ハサウェイの動きは、単なる一時的な投資ではなく、日本の企業文化や株主還元姿勢への長期的な信頼に裏付けられたものといえます。

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