AI投資4,000億ドル時代突入?巨大テック企業の次なる挑戦

  • 2025年8月28日
  • 2025年8月28日
  • BS余話

ウォール街では、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)の4社によるAI関連の設備投資(Capex)が2026年に4,020億ドルに達すると予測されています。2025年の3,500億ドルから大幅に増加する見込みですが、ロス・キャピタル・パートナーズのアナリストは「この数字は依然として保守的」と指摘しています。実際にはAI需要の急拡大に伴い、より多くの投資が必要になる可能性が高いとされています。

投資拡大が続くなかでの懸念点

AIへの投資は急増していますが、フリーキャッシュフローへの影響は無視できません。アマゾンは直近2四半期でフリーキャッシュフローがマイナスとなり、アルファベットやメタも減少傾向にあります。AIインフラ構築に巨額を投じる一方で、短期的な資金繰りに課題を抱えているのが現状です。

メタのキャッチアップとサーバー投資

メタはAIインフラ整備で出遅れを取り戻そうとしています。2025年には設備投資計画を660億~720億ドルに引き上げ、サーバー購入も急増しています。同社の資産は他社に比べて新しく、減価償却費が少ないことから、今後の投資負担はさらに大きくなる見通しです。最高財務責任者スーザン・リー氏も「AI能力強化のために2026年も積極的に支出を増やす」と述べています。

投資のリターンはどこから生まれるのか

AI関連支出が急拡大する一方で、収益面での効果はまだ限定的です。シティグループのアナリストは、現時点でAIが企業にもたらしているのはコスト削減効果が中心だと指摘しています。顧客対応、プログラミング支援、情報検索などの分野でAI活用が進んでおり、これらだけでも年間2,750億ドルのコスト削減につながると見込まれています。

一方で、AIによる売上拡大のポテンシャルは非常に大きいとされています。シティの試算では、AIによる売上は2025年の430億ドルから2030年には7,800億ドルへと急拡大すると見込まれており、年平均成長率は約80%という驚異的な水準です。UBSの予測ではさらに大きく、AI関連の年間売上が1.5兆ドルに達する可能性もあるとされています。

投資家に求められる視点

AI関連投資は短期的にキャッシュフローを圧迫するリスクを伴いますが、長期的にはイノベーションと効率性を大きく高める可能性があります。スタートアップの多くは巨額の赤字を計上していますが、その損失は企業のキャッシュフローやベンチャーキャピタルによって吸収され、AIの普及を加速させているのが実情です。

アナリストは「AIへの巨額投資は規模に見合うリターンを生む可能性が高い」との見方を示しています。投資家にとっては、短期的な資金圧迫よりも、長期的な成長ポテンシャルをどう評価するかが重要になっています。

*過去記事「モルガン・スタンレーが示すAI投資の巨額価値創造

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