アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、アナリストによる格上げを受けて株価が上昇しました。8月26日の米国市場でAMD株は約2%高となり、クラウド事業者からの需要を背景に競争力が高まっていると評価されています。トゥルイスト証券のアナリストは目標株価を173ドルから213ドルに引き上げ、買い推奨を出しました。
かつては「価格チェック」の存在
これまで多くの市場関係者は、AMDをエヌビディア(NVDA)の「価格チェック」の存在として見ていました。エヌビディアがソフトウェア基盤CUDAに多大な投資を行い先行していたため、持続的なシェア拡大は難しいとされてきたのです。しかし現在は、ハイパースケーラーがAMDを単なる比較対象ではなく「パートナー」として見るようになってきています。
CPU市場での成功がGPUにも波及
インテル(INTC)がデータセンター向けCPU市場で遅れを取る中、AMDは着実にシェアを拡大してきました。2018年には1%未満だった市場シェアが現在は約21%にまで成長しています。この流れはGPU市場にも波及する可能性があるとアナリストは指摘しています。
Instinct MI355の重要性
AMDが新たに投入したInstinct MI355 AIアクセラレーターは、同社がGPU市場で存在感を高めるための重要な製品です。2025年第3四半期の売上見通しを押し上げる大きな要因となっており、市場でのシェア獲得を後押ししています。トゥルイストは、ベースシナリオでAMDが2027年にデータセンターGPU市場で約6%のシェアを確保すると予想し、強気シナリオでは8%のシェアも見込んでいます。
エヌビディアとの競争の行方
エヌビディアがインテルのようにシェアを急速に失うことは想定されていませんが、AMDには十分な成長余地があるとされています。特にAIデータセンター需要の高まりに伴い、AMDの存在感はこれまで以上に強まっていくと考えられます。
*過去記事はこちら AMD
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