テクノロジー株は過去数年間で歴史的な高値圏にあり、割高感が強まっています。こうした状況の中で、シティのストラテジストは成長可能性を持ちながらテクノロジー分野に属さない銘柄を選定しました。今回はその中から、投資家が注目すべき非テクノロジー株を紹介します。
テクノロジー株の割高感と投資回避の動き
S&P500情報技術セクター指数は8月中旬に過去最高値を更新しました。市場はエヌビディア(NVDA)のAIチップ需要やマイクロソフト(MSFT)のAIサービス拡大に期待を寄せています。しかし現在、テクノロジー株の予想PERは約27倍と高水準にあり、投資家が新規に買い進めるにはハードルが高くなっています。そのため短期的な上昇余地は限定的と見られています。
シティの成長株スクリーニング基準
シティは「4つのテーマ」を軸に成長株を抽出しました。テーマには以下のようなものがあります。
- デジタル販売や非接触型の取引拡大
- フィンテックやデジタル決済の導入
- 新しい医療機器の開発
- 環境対応型の産業機械の製造
さらに、株価収益成長率(PEGレシオ)が2倍程度以下であること、自己資本利益率や利益率がS&P500平均以上であることも条件とされています。これにより、成長性と効率性の両立が期待できる銘柄が選ばれました。
注目される非テクノロジー株
シティの推奨リストに含まれる代表的な銘柄は以下の通りです。
- ウーバー・テクノロジーズ(UBER)
- ドアダッシュ(DASH)
- ピンタレスト(PINS)
- エクイファックス(EFX)
- キャピタル・ワン(COF)
- フローサーブ(FLS)
- メドトロニック(MDT)
- ボストン・サイエンティフィック(BSX)
これらは消費者サービス、金融、産業、医療など多様な分野にまたがり、テクノロジー偏重相場において分散投資の妙味があります。
ボストン・サイエンティフィックの事例
ボストン・サイエンティフィックは心疾患関連の手術器具を中心に医療機器を提供する企業です。心臓病患者数は年々増加しており、同社は積極的な買収で製品群を拡充してきました。
アナリスト予想によると、同社の売上は今後2年間で年平均11%成長し、2027年には243億ドルに達すると見込まれています。さらに、利益率が高水準にあることに加え、自社株買いや負債削減を進めているため、1株利益は年平均14%の成長が期待されています。
株価は2026年予想PERで31倍と一見高く見えますが、PEGレシオは2倍強にとどまっており、過去の3倍水準と比べると割高感は抑えられています。成長が続けば株価上昇余地は十分に残されています。
まとめ
テクノロジー株が高値圏にある今、非テクノロジー分野の成長株は投資家にとって有力な選択肢となります。シティが注目するこれらの銘柄は、堅実な業績拡大と効率的な経営によって市場平均を上回るリターンを期待できる可能性があります。
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