アップル、AIで出遅れ?エヌビディアやマイクロソフトに後れを取る危機

アップル(AAPL)は時価総額3兆ドルを超える巨大企業でありながら、AI革命に乗り遅れていると指摘されています。個人コンピュータ、音楽、スマートフォンを革新してきたアップルですが、AIでは競合に後れを取りつつあります。ティム・クックCEOは「AIで勝たなければならない」と強調していますが、その姿勢に懐疑的な見方も広がっています。

競合他社との格差

エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)といった企業は、積極的なAI投資で市場から高く評価されています。これに対してアップルは、株主還元のための自社株買いに依存しており、過去10年間で7,040億ドルを費やしました。守りの戦略を続ける一方、競合は攻めの投資で差を広げています。

人材流出とSiriの限界

アップルではAI人材の流出が相次いでおり、今年も4人目のトップ研究者がメタに移籍しました。このことは、組織の文化的・戦略的な問題を浮き彫りにしています。また、Siriは10年以上の開発にもかかわらず進化が遅く、ChatGPTやGoogleアシスタントに大きく後れを取っています。音声アシスタント分野での停滞は、アップルのAI戦略の象徴とも言えます。

スマートフォン依存のリスク

アップルのエコシステムはスマートフォンを中心に構築されていますが、その前提が揺らぎ始めています。メタはAIを前提としたMRグラスに注力しており、オープンAIはジョニー・アイブ氏と共に新たなハードウェア開発を進めています。もし音声やジェスチャーでAIとやり取りする時代が到来すれば、iPhone中心の世界観は脆弱になる可能性があります。

AI投資で出遅れる危険性

AIはスピードと規模が勝敗を決める分野であり、先行企業ほどデータや人材、インフラで優位性を高めています。エヌビディアやAMD(AMD)、マイクロソフト、アルファベットは積極的に資本を投入し、将来の成長を見据えています。アップルの従来型の「完成度を高めてから市場投入する」手法は、AI時代には逆効果になる可能性があります。

今後の展望

アップルには22億台を超える巨大なユーザー基盤がありますが、AI分野ではそれだけでは十分ではありません。検索データを持つアルファベット、ソーシャルデータを持つメタ、職場データを持つマイクロソフトに比べると、アップルはデータ活用の仕組みが弱いとされています。そのため、パープレキシティのようなAI検索スタートアップの買収や、グーグルのジェミニとの提携など、従来の路線を超える大胆な行動が必要とされています。

まとめ

アップルは依然として強力なブランド力と忠実な顧客を持つ企業ですが、AI分野での遅れは企業の将来を左右する大きなリスクです。AI革命は従来のテクノロジーサイクルよりも速いペースで進行しており、慎重な観察と遅れての投入では取り返しのつかない差がつく可能性があります。アップルが真にAIに舵を切れるのか、それとも過去の栄光に依存したまま衰退していくのかが注目されています。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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