投資の落とし穴:SNSがもたらす過信と損失

  • 2025年8月24日
  • 2025年8月24日
  • BS余話

マーケットウォッチが2025年8月23日に公開した記事によると、ソーシャルメディアは投資家にとって有益である一方、資産形成にとって大きなリスクにもなり得るそうです。SNSを利用する投資家は金融知識が不足している傾向があり、その結果、過度なリスクを取ったり、過剰な取引を行ったりするケースが多いと紹介されています。

主観的知識と客観的知識の違い

記事では、テキサス大学の研究を取り上げています。調査によると、記事をシェアするだけで実際には読んでいなくても「理解している」と思い込む投資家が多いことが判明しました。研究者はこれを「主観的知識」と呼び、実際に内容を理解する「客観的知識」と区別しています。主観的知識が過剰に膨らんだ投資家ほど、リスクの高い投資を行いやすい傾向があると記事は紹介しています。

インターネット利用による過信

記事ではさらに、インターネットを利用することで知識を自分のものと錯覚する「Google効果」についても言及しています。検索で得た回答を自分の知識と勘違いすることで、実際以上に自分が賢いと錯覚し、リスク過多な投資行動につながると紹介されています。

過剰な取引と早期引き出しのリスク

記事はまた、ソーシャルメディアを利用する投資家が月に10回以上の取引を行う傾向が強いと指摘しています。過度な売買は市場平均を下回るパフォーマンスにつながる可能性が高いとされています。さらに、退職口座からの早期引き出しも過信によって起こりやすく、将来の生活水準を大きく損なう危険があると記事は伝えています。

閉鎖的思考の危険性

フランスの研究も紹介されており、自分の知識を過大評価する人ほど新しい情報や異なる意見を受け入れにくくなる傾向があると指摘されています。記事は、投資において閉鎖的な思考は柔軟な判断を妨げる危険要因になると警鐘を鳴らしています。

過信を防ぐために必要なこと

マーケットウォッチの記事では、投資家が過信を防ぐためには二つの方法があると紹介しています。ひとつは客観的な金融知識を高めること、もうひとつは自分の知識を過大評価しないことです。特に後者が重要だと強調されています。

記事では、オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同創業者ハワード・マークス氏が投資における謙虚さを繰り返し説いていることが紹介され、その代表的なエッセイ「The illusion of knowledge」が必読の書として引用されています。また、コロラド大学のフィリップ・ファーンバック氏とブラウン大学のスティーブン・スローマン氏による著書『The Knowledge Illusion』も紹介されており、知識の錯覚が人々の判断を歪める仕組みを解説していると伝えています。

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

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