モルガン・スタンレーのアナリストであるスティーブン・バード氏は、AI投資によってS&P500企業が年間で9,200億ドル規模の純利益を得られる可能性があると分析しています。これは過去12カ月のS&P500企業全体の税引前利益2.5兆ドルに対して大きな上積みとなり、営業利益率は6ポイント上昇し22%を超える水準になると試算されています。最終的な純利益は40%近い増加につながる可能性があります。
巨額の資本支出とその規模感
アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、AIを中心とした投資を拡大しています。これら4社の2025年の資本支出は3,400億ドルに達すると予測されており、2024年比で50%増加する見通しです。さらに2026年には20%の追加増加が見込まれ、2024年から2026年の3年間でほぼ1兆ドルが投じられるとされています。
AIによるコスト削減と新たな収益機会
AIによる価値創造は、コスト削減と新たな売上機会の両方から生まれると分析されています。自動化や効率化によって一部の雇用は失われる可能性があるものの、生産性の向上は新たな産業や雇用を生み出すと考えられています。つまりAIは単なるコスト削減にとどまらず、企業の事業拡大や市場全体の成長を促進する存在となっています。
株式市場に与えるインパクト
モルガン・スタンレーは、AIによってS&P500の株式市場に13兆〜16兆ドルの価値が新たに生まれると試算しています。これは現在約60兆ドル規模のS&P500時価総額に対して22%から27%の増加に相当します。AIはもはや一部の企業だけでなく、市場全体を押し上げる力となりつつあります。
このように、AI投資は単なる技術トレンドを超えて、巨額の利益創出と市場拡大を実現する原動力となっています。投資家にとっても無視できないテーマとなっており、今後の株式市場の成長を考えるうえで中心的な役割を担っていくと考えられます。
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