パロアルトネットワークスの好決算がサイバーセキュリティ業界に自信をもたらす

  • 2025年8月20日
  • 2025年8月20日
  • BS余話

2025年8月19日の米国市場では、パロアルトネットワークス(PANW)が第4四半期決算を発表し、予想を上回る業績を示しました。この結果は、最近低迷していたサイバーセキュリティ業界にとって明るい材料となりました。

強いRPO成長とガイダンス

パロアルトネットワークスは、前年同期比24%のRPO(残存履行義務)成長を記録しました。これは既存契約から見込まれる将来の売上を示す指標であり、アナリストから「非常に強い数字」と評価されています。また、今後の売上成長率を14%と予想し、市場予想の12〜13%を上回る見通しを示しました。同社CEOのニケシュ・アローラ氏は、今期の受注が過去2年以上で最高水準に達したことを明らかにしました。

株価と競合他社の動向

決算発表後、パロアルトネットワークスの株価は3%上昇しましたが、過去1か月では依然として7.7%下落しています。同業のフォーティネット(FTNT)は25%下落、チェック・ポイント・ソフトウェア(CHKP)は15%下落しており、業界全体の逆風が続いています。一方、S&P500指数(SPX)は同期間で1.6%上昇しました。

アナリストの評価と目標株価

ジェフリーズはパロアルトネットワークス株に対して「買い」を維持し、目標株価を235ドルと設定しました。これは現在の株価から25%以上の上昇余地を示しています。オッペンハイマーも同様に「買い」を維持し、225ドルの目標株価を提示しています。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は、同社をAI関連の恩恵を受ける「隠れた勝者」と位置付けました。

プラットフォーメーション戦略の成果

パロアルトネットワークスは、個別製品の販売から包括的な統合型ソリューションの提供へと移行する「プラットフォーメーション戦略」を推進しています。第4四半期には新規プラットフォーメーション契約が150件と、第3四半期の90件から大きく増加しました。これは企業顧客のニーズに合致していることを示しており、将来的な成長を後押しする要因となっています。

サイバーアーク買収と資金力

同社はサイバーアーク・ソフトウェア(CYBR)の買収を発表しており、これは2026年下半期に完了予定です。今回の決算では9億5,500万ドルのフリーキャッシュフローを計上しており、この強い資金力が買収リスクへの懸念を和らげる要因になっています。アナリストからは「サイバーアークは金の卵であり、パロアルトの統合型戦略におけるゲームチェンジャー」との評価も出ています。

まとめ

パロアルトネットワークスは市場予想を上回る決算を発表し、逆風が吹くサイバーセキュリティ業界の中で存在感を高めています。RPO成長、強いキャッシュフロー、プラットフォーメーション戦略、さらにサイバーアーク買収による拡張などが評価されており、投資家にとって注目すべき銘柄となっています。

*過去記事「パロアルトネットワークス決算好調、売上拡大で株価上昇

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