エヌビディア(NVDA)はAI関連で最も注目される銘柄ですが、機関投資家の保有比率は依然として低い状況にあります。モルガン・スタンレーのアナリスト、エリック・ウッドリング氏によると、エヌビディアの時価総額はS&P500指数に占める割合が7.37%に達しているのに対し、アクティブ運用の機関投資家ポートフォリオでの比率は4.2%にとどまっています。調整後では2.41ポイントのアンダーウェイトとなっており、同社が追跡する大手テクノロジー企業15社の中で最も大きな乖離です。
株価上昇と投資家の慎重姿勢
エヌビディアは過去5年間で株価が約1300%上昇し、AIブームの代表的存在となりました。しかし、その急激な値上がりや地政学リスク、サプライチェーンの不確実性が一部投資家の慎重姿勢につながっています。歴史的には、保有比率が低い銘柄は時間の経過とともに買い増され、指数のウェイトに近づく過程で株価が上昇する傾向があります。
他の大手テック企業との比較
エヌビディア以外にも、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)がアンダーウェイトとなっていますが、その規模はエヌビディアほどではありません。マイクロソフトは2.39%、アップルは1.66%、アマゾンは1.40%のアンダーウェイトにとどまっています。反対に、最もオーバーウェイトとなっているのはインテュイット(INTU)で+0.83%、続いてオラクル(ORCL)が+0.32%、デル・テクノロジーズ(DELL)が+0.25%となっています。
エヌビディアの強固なファンダメンタルズ
モルガン・スタンレーは、エヌビディアのファンダメンタルズは依然として強固だと評価しています。AIやクラウドの需要は引き続き旺盛で、サプライチェーンの制約緩和や米国政府による中国向け輸出ライセンス承認の進展が追い風になるとしています。実際、2025年に入りエヌビディアの株価は33%上昇しており、S&P500の10%上昇を大きく上回っています。
メガキャップ株の評価に対する懸念
一方で、全ての専門家が強気な見方をしているわけではありません。アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トーステン・スロック氏は、メガキャップ株の現在のバリュエーションは持続可能性に疑問があると指摘しています。特にS&P500上位10社の株価収益率(P/E)は、1999年のドットコムバブル期を上回っており、市場全体の過熱感に警戒が必要だと警告しています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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