エヌビディア株が3.5%下落、背景に広がる市場全体の売り圧力

エヌビディア(NVDA)の株価は2025年8月19日の米国市場で3.5%下落し、数か月ぶりの大幅安となりました。今回の下落は特定のニュースによるものではなく、市場全体の売りが背景にあります。今年に入りエヌビディアの株価は31%上昇しており、投資家による利益確定売りが広がったとみられます。ダウ・ジョーンズのデータによると、この1日で約1,550億ドルの時価総額が失われました。

市場全体の動きと半導体株への影響

同日のナスダック総合指数は1.5%下落し、エヌビディアを含む「マグニフィセント・セブン」関連銘柄で構成されるETFも1.6%下落しました。半導体株も軒並み売られ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が5.4%安、ブロードコム(AVGO)が3.6%安となりました。エヌビディアにとって次の注目材料は、8月27日に予定されている決算発表です。

過去の急落との比較

今回の下落は、2025年4月21日に発生した4.5%安以来の大幅な調整となりました。当時はトランプ大統領の発言が金融市場への不安を招き、ナスダックが2.6%下落した影響で株価が急落しました。一方、今回の下落にはそのような明確な材料は見られません。

中国市場向けAIチップの報道

ロイターは、エヌビディアが中国市場向けに新たなAIチップを開発していると報じました。これは現在販売可能なH20モデルを超える性能を持つとされています。同社の広報担当者は「われわれは当局の承認を得て、商業利用を目的とした製品開発を行っている」とコメントしています。

中国向け売上と米政府への収益分配

エヌビディアは、中国向けAIチップの売上の15%を米国政府に支払うことで合意しています。これはトランプ政権が中国へのプロセッサ輸出を段階的に認可し始めたことを受けたものです。

CEOジェンスン・フアンの株式売却

エヌビディアはSECへの提出書類で、CEOのジェンスン・フアン氏が8月14日と15日に計15万株を売却したことを明らかにしました。売却額は2,710万ドルで、平均売却価格は1株あたり180.80ドルでした。この売却は、フアン氏が3月20日に設定した「10b5-1プラン」に基づくものです。フアン氏は個人名義で7,280万株を保有しており、さらに信託やパートナーシップを通じて数億株を保有しています。


このように、今回の下落は個別の悪材料ではなく、市場全体の調整局面での利益確定売りが主因と考えられます。今後は8月27日の決算発表が大きな注目点となります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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