米メディア「マーケットウォッチ」が報じたところによると、インテル(INTC)は今後18か月以内に自社の将来を決定づける重要な局面に直面しています。新CEOのリップ・ブー・タン氏のもとで大規模なリストラと戦略見直しを進める一方、クアルコム(QCOM)やアーム(ARM)がPCとサーバー市場における攻勢を強めています。
クアルコムのPC・データセンター進出
クアルコムは従来のスマートフォン向け事業にとどまらず、Windows PC市場で存在感を高めています。米欧のプレミアムノートPC市場で約1割のシェアを獲得したとされ、2029年には40億ドル規模の売上を目指しています。また、過去に撤退したサーバー向けCPU市場にも再参入する計画を打ち出し、AI向けデータセンター分野での成長を狙っています。
アームのエコシステム強化
一方で、アームはライセンス料の大幅値上げや、将来的に自社設計チップを投入する可能性を示唆するなど、エコシステム全体の収益力を高めています。もしアームが直接チップを設計すれば、インテルはライセンシー企業との競争に加え、アームそのものとも対峙することになり、脅威は一層大きくなります。
インテルの課題と次期製品
インテルは新プロセス「18A」を採用した次世代CPU「Panther Lake」や「Diamond Rapids」の成功が不可欠です。過去にハイパースレッディング機能を外したことが競争力を損なうなど製品戦略の失敗があり、顧客の信頼回復が急務となっています。今後の製品投入が予定どおり進まなければ、AMDやアーム陣営にシェアを奪われる可能性があります。
半導体業界の勢力図が変わる可能性
記事は、インテルが初めて全方位からの本格的な競争に直面していると指摘しています。今後の18か月でインテルが技術力を証明できなければ、x86アーキテクチャが縮小し、非x86への移行が加速する可能性もあるとの見方が示されています。
*過去記事「インテル株急騰!米政府の出資報道で投資家が注目」
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