ウォルマートがトレードデスクとの独占契約を解除、広告市場に波紋

米小売大手ウォルマート(WMT)が、広告技術企業トレードデスク(TTD)との提携条件を変更し、独占契約を解除したことが明らかになりました。これにより、ウォルマートは他の広告プラットフォームを利用する自由を得た形です。The Informationは、ウォルマートが同社の手数料に不満を持っていたことが背景にあると報じています。

独占契約解除の背景と影響

ウォルマートは従来、トレードデスクの技術を通じて自社の購買データを活用した広告販売を行っていましたが、新たな契約ではこれが非独占となりました。これにより、ヤフーやクリテオ、グーグルなど、他の広告購入プラットフォームの利用が可能になります。

トレードデスクはウェブやアプリ、ストリーミングTVなどでの広告購入を自動化するソフトウェアを提供し、特にストリーミング分野での存在感があります。しかし、アマゾン(AMZN)も広告販売の拡大を進めており、ロク(ROKU)との提携などで市場シェアを狙っています。こうした競争環境の中で、ウォルマートの動きはトレードデスクにとって打撃となる可能性があります。

トレードデスク株価と広告市場の動向

関税懸念による広告主の支出抑制が影響し、トレードデスクの業績は今年苦戦しています。第2四半期の成長鈍化に続き、第3四半期の売上見通しも低迷し、株価は8月8日に35%急落、年初来で55%下落しています。

一方で、ウォルマートの広告収入は成長を続けており、2024年には前年比27%増の44億ドルに達しました。アマゾン同様、ウェブ全体での広告販売を拡大する戦略を進めています。

今後の選択肢と戦略的意図

ウォルマートが今後選択し得る道は複数あります。他社プラットフォームの活用だけでなく、自社で広告購入システムを構築する可能性も指摘されています。また、2024年に買収したビジオ(Vizio)の技術を活用し、広告配信の主導権を握る動きも見られます。

アマゾンとの直接的な提携は競合関係から考えにくいですが、広告技術の主導権を握るための自前化や他社利用の動きは、デジタル広告市場の競争構図を変える可能性があります。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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