米投資情報メディアのバロンズが8月14日付の記事で、ウルフ・リサーチのチーフ投資ストラテジスト、クリス・セニエック氏による高配当株の銘柄選定を紹介しました。セニエック氏は「高配当+高配当成長+高フリーキャッシュフロー」という条件を満たす銘柄をスクリーニングし、その中から12銘柄が注目株として浮上しています。
選定の背景と条件
セニエック氏は、配当貴族(25年以上連続増配)の中でも、最も高い利回り層ではなく、2番目に高い利回り層に注目しています。これは、極端な高配当銘柄にありがちな低成長や減配リスクを回避しつつ、安定した収益を狙うためです。また、高いフリーキャッシュフローは配当の安全性を高め、増配実績は経営陣の株主還元姿勢を示す重要な指標とされています。
注目の12銘柄一覧
今回のスクリーニングを通過したのは以下の12銘柄です。
- シェブロン(CVX)
- IBM(IBM)
- プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
- PPGインダストリーズ(PPG)
- エアープロダクツ(APD)
- イリノイ・ツール・ワークス(ITW)
- コルゲート・パルモリーブ(CL)
- ベクトン・ディッキンソン(BDX)
- アトモス・エナジー(ATO)
- C.H.ロビンソン・ワールドワイド(CHRW)
- オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)
- ロウズ(LOW)
この12銘柄の平均配当利回りは約2.5%で、S&P500構成銘柄の配当平均(約2.3%)を上回ります。配当性向はおおよそ50%と健全な水準で、財務レバレッジも適度に抑えられています。
バリュエーションと投資妙味
これらの銘柄は予想2026年利益の約19倍で取引されており、S&P500配当銘柄平均の21倍や全体指数の22倍より割安です。利回りの高さに加え、増配余地や安定性、そして比較的抑えられた株価評価が投資妙味を高めています。
まとめ
今回のリストはあくまでスクリーニングの結果であり、最終的な投資判断には個別企業の事業分析やバリュエーション確認が不可欠です。しかし、安定配当と成長性を両立する銘柄群として、長期保有を検討する価値は高いといえます。
*過去記事はこちら 配当株
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