米投資情報メディアのバロンズが、世界最大の金鉱企業ニューモント(NEM)について、金相場上昇の恩恵を受けながらも依然として割安で、長期投資先として魅力的だと紹介しています。
会社概要
ニューモント(Newmont Corporation)は1921年に設立され、米コロラド州デンバーに本社を置く世界最大の金鉱会社です。主に北米、南米、オーストラリア、アフリカで金の探鉱・採掘を行い、銅や銀などの副産物も生産しています。2023年には豪州のニューレスト・マイニングを買収し、資源ポートフォリオを拡大しました。S&P500構成銘柄でもあり、持続可能性や安全性を重視した鉱山運営で業界をリードしています。
金価格高騰と安定した収益基盤
ニューモントは年間560万オンスの金を生産し、金鉱株の中で圧倒的な規模を誇ります。2025年の金価格は1オンス=3,400ドルと過去最高値を更新し、年初来で27%上昇しました。これを背景にニューモント株は85%上昇していますが、なお2022年の最高値86ドルを下回っています。
構造改革で収益力を強化
2024年、ニューモントはポートフォリオを見直し、6つの鉱山と2つのプロジェクトを売却しました。この結果、38億ドルの資金を確保し、コスト構造を改善。2025年第2四半期には純負債を2023年末の64億ドルから14億ドルへ大幅に削減し、四半期のフリーキャッシュフローは過去最高の17億ドルに達しました。
株主還元と割安評価
同社は1株25セントの四半期配当(利回り1.5%)に加え、30億ドル規模の自社株買い枠を設定。予想PERは13倍と市場平均や同業他社を下回り、P/NAV(株価純資産価値倍率)は0.7倍と過去平均1.0倍を大きく下回っています。カナコード・ジェニュイティは目標株価を86ドルとし、約25%の上昇余地があると分析しています。
投資妙味と見通し
ニューモントは、金価格が4,000ドルに向かう局面ではさらなる株価上昇が期待でき、仮に価格が調整しても財務健全性と資産規模により安定性を保てると見られます。テクニカル面でも株価は3年ぶりの高値圏にあり、中長期的に90ドルを目指す展開が視野に入ります。
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