パランティア株、2,500%の上昇でバリュエーション議論が過熱

米ブルームバーグによると、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は2021年の上場以来およそ2,500%上昇し、時価総額と株価評価が過去最高水準に達しています。2025年に入ってからも約150%の上昇を記録しており、その背景には人工知能(AI)活用の拡大、米政府との取引増加、そして直近の好決算があります。

S&P500で突出する高評価

現在の予想PER(株価収益率)は245倍と、S&P500構成銘柄の中で最も高い水準です。比較として、同じくAI関連で注目されるエヌビディア(NVDA)は約35倍にとどまります。ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、パランティアが他のソフトウェア企業と同水準のバリュエーションに並ぶには、今後12カ月で売上を600億ドルに拡大する必要があります。しかし、2025年度の予想売上は40億ドル程度にすぎません。

成長維持への高いハードル

D.A.デビッドソンのアナリストによると、PERをマイクロソフト(MSFT)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)並みの30倍程度に引き下げるには、今後5年間で年率50%の売上成長と50%の利益率を維持する必要があります。もっとも、2025年は56%増益が見込まれる一方、翌年以降の成長率は30%台へ鈍化する予想です。

投資家心理と期待の背景

多くの機関投資家や個人投資家は高いバリュエーションに懸念を抱きながらも、パフォーマンス競争で劣後しないため保有を続けています。ネットフリックス(NFLX)もかつてPER280倍超の評価を受けた後、成長に伴い水準が落ち着いた例があり、パランティアにも同様の展開を期待する声があります。

高評価の裏に潜むリスク

一方で、市場予想を下回る業績になれば、高い評価が急落要因になりかねません。テスラ(TSLA)のように期待先行で買われた銘柄が業績未達で調整するケースもあり、パランティアも今後の業績進捗が大きな鍵となります。防衛分野の1兆ドル規模の市場やAI需要を背景に、どこまで高成長を維持できるかが注目されます。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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