米テック系メディアThe Informationによると、メタ・プラットフォームズ(META)は音声における感情理解と模倣に特化した人工知能技術を開発するスタートアップ「WaveForms AI」を買収しました。関係者によれば、この買収は同社のAI戦略強化の一環とみられます。
WaveForms AIとは
WaveForms AIは2024年12月に設立され、アンドリーセン・ホロウィッツが主導する4,000万ドルの資金調達を実施していました。共同創業者は、メタで約8年間音声研究を行い、その後オープンAIのGPT-4oの音声研究を率いたアレクシス・コノー氏と、グーグルで広告事業戦略を担当していたコラリー・ルメートル氏です。
メタのAI音声分野への拡大
今回の買収は、メタが音声AI分野を強化する流れの一部です。同社はこれまでにも音声AI企業PlayAIの買収や、Sesameで機械学習を率いたヨハン・シャルクウィク氏の採用を行っています。また、過去2か月間でオープンAI、アンソロピック、アルファベットから多くの研究者を引き抜き、新設された「Meta Superintelligence Labs」に配置しています。
背景にあるメタのAI戦略
2025年6月には、メタはScale AIのCEOアレクサンダー・ワン氏を最高AI責任者に迎え、同社への143億ドル規模の投資を発表しました。さらに、元GitHub CEOのナット・フリードマン氏や元Safe Superintelligence CEOのダニエル・グロス氏を迎え入れ、彼らが運営するベンチャーキャピタルの一部買収も進めています。
ザッカーバーグ氏のビジョン
4月の決算発表で、マーク・ザッカーバーグCEOは「1日を通して話しかけるAIを持つ時代になる」と語っており、今回のWaveForms AIの買収はその構想を具体化する一歩といえます。今年初めには、新しい大規模言語モデル「Llama 4」の発表が遅れた背景に、音声対話の能力がオープンAIのモデルに劣る懸念があったとも報じられています。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ
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