米投資情報メディア「バロンズ」の週末特集は、トランプ政権が暗号資産(仮想通貨)を米国の金融インフラに深く組み込む計画を進めていることを描いたものでした。2025年7月末には、コインベースやクラーケン、リップルなどの経営陣がホワイトハウスに集まり、暗号資産普及に向けた160ページに及ぶ政府ロードマップが披露されました。バイデン政権下で規制や訴訟の対象となっていた企業も、現在は政府から積極的な協力を求められています。
規制緩和と銀行業界の参入
バロンズの報道によれば、政権は銀行による暗号資産関連事業への参入を後押ししており、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカなど大手銀行がステーブルコイン発行を検討中です。また、暗号資産を担保とした融資や、ビットコインETFを活用したローンも広がりつつあります。
ステーブルコイン法成立と懸念点
2025年7月にはステーブルコイン規制法が成立し、発行体に1対1の資産裏付けや監査義務が課されました。これにより決済分野での利用拡大が期待される一方、価格乖離が発生した場合の決済リスクや政府による救済圧力への懸念も指摘されています。
暗号資産の投資商品化と新たな市場構想
記事によると、SECは株式をブロックチェーン上で24時間取引可能にする「トークン化証券」の検討を進めています。コインベースやクラーケンは、取引コスト削減や決済速度向上などの利点を強調する一方、伝統的な金融業界からは市場の分断や規制回避を懸念する声も上がっています。
政策がもたらす将来像
トランプ政権は、暗号資産を退職年金(401k)や住宅ローン審査にも組み込む方向で規制見直しを進めています。支持者はイノベーションと経済成長を期待する一方、批判派は過去の金融危機を引き合いに出し、過度なリスク拡大を懸念しています。
今回のバロンズ記事は、米国における暗号資産の制度的地位が急速に高まっている現状と、それに伴う光と影を描き出しています。
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