テスラ(TSLA)の株価は8月8日(金)に2.29%高の329.68ドルで取引を終えました。同社のAIスーパーコンピューター「Dojo」開発責任者ピーター・バノン氏が退社し、新興企業DensityAIに加わるとの報道があったにもかかわらず、市場はむしろ買いで反応しました。
報道によれば、イーロン・マスク氏はDojoの設計プロジェクトを終了し、今後はAIチップ「AI5」「AI6」などの開発に集中する方針を示したといいます。これらのチップは推論処理に優れ、学習にも一定の性能を持つ設計になる予定です。製造はサムスンが一部を担当し、エヌビディア(NVDA)のプロセッサーと組み合わせてAI計算に活用される見込みです。
Dojoはテスラの自動運転車や人型ロボットの訓練に活用されてきましたが、マスク氏はリソース分散を避けるため開発を一本化する判断を下したとされています。アナリストの中にはDojoをテスラのAI戦略における重要な加速装置と評価する声もありますが、今回の決定は戦略転換の一環と捉える向きが多いようです。
ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏は、マスク氏が率いるAI企業xAIとテスラの連携がさらに強まる可能性を指摘し、大規模な投資や提携の展開を予想しています。また、モルガン・スタンレーのアダム・ジョナス氏はテスラ株を「買い」と評価し、目標株価を410ドルと設定しています。
年初来で株価は20%下落しているものの、過去12か月では68%上昇しており、今後もAI分野での動きが投資家の注目を集めそうです。
*過去記事はこちら テスラ TSLA
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