音声AI企業のサウンドハウンドAI(SOUN)は2025年第2四半期の売上が4,270万ドルとなり、アナリスト予想の3,290万ドルを大きく上回りました。企業や消費者の間で、コンピューターによる音声カスタマーサービスへの抵抗感が薄れたことが好業績の背景にあります。
同社は年間売上見通しを1億6,000万〜1億7,800万ドルとし、市場予想の1億5,960万ドルを上回りました。ただし、3カ月前に発表した1億5,700万〜1億7,700万ドルのレンジからは小幅な上方修正にとどまっています。
株価は時間外取引で上昇
決算発表を受け、サウンドハウンドAIの株価は8月7日の時間外取引で15%上昇しました。2025年の年初来では株価が約50%下落していましたが、今回の好決算が投資家心理を改善させました。
中小企業にも広がる音声AI活用
サウンドハウンドAIのCEO、キーアン・モハージャー氏は、音声AIによる顧客対応が従来の大規模コールセンター向け自動化から、あらゆる規模の企業に広がっていると述べています。同社は数百店舗を持つ企業向けパッケージだけでなく、1店舗や数店舗の小規模ビジネスにも提供しています。
モハージャー氏は、小規模なレストランやサービス業者でも電話を取り逃せば機会損失につながるため、AIカスタマーサービスは費用対効果が高いと説明しました。
異なる事業分野の連携も推進
同社は自動車向け音声ソフトや飲食店向け音声注文ソフトを展開しており、車載システムから提携レストランの事前注文やナビゲーションが可能です。これにより、自動車メーカーには売上分配、飲食店には新規顧客の獲得といった双方のメリットが生まれています。
赤字は拡大も成長路線は維持
サウンドハウンドAIの第2四半期純損失は7,470万ドルと、前年同期の3,740万ドルから約2倍に拡大しました。それでも同社は音声AI市場の成長を背景に、今後の事業拡大を見込んでいます。
同社は昨年、エヌビディア(NVDA)が株式を保有していたことが証券書類で明らかになり注目を集めましたが、エヌビディアは今年に入り保有株を売却。この売却が2025年の株価下落要因の一つとなっていました。
*過去記事「【決算速報】サウンドハウンドAI、売上急増でも株価続落…今後の成長シナリオは?」
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