2025年8月11日の週に、フィンテック業界で注目を集める2社が米国市場に上場する予定です。暗号資産取引所を運営するブリッシュ(NYSE: BLSH)と、オプションや先物取引に強みを持つマイアミ・インターナショナル(NYSE: MIAX)です。
ブリッシュの概要とIPO条件
ブリッシュは暗号資産取引所に加え、暗号資産関連メディアのコインデスクも運営しています。本社はケイマン諸島にあり、2021年にブロックチェーン企業ブロック・ワンから派生して設立されました。パランティアやペイパル共同創業者ピーター・ティール氏のファンドが初期から出資しており、さらにブラックロックやアーク・インベストメントが最大2億ドル分のIPO株取得に関心を示しています。
今回のIPOでは1株28~31ドルで2000万株を売り出し、最大約6億ドルを調達予定です。想定価格帯の中間である29.50ドルの場合、時価総額は約43億ドルとなります。
背景には、トランプ政権下での暗号資産に対する規制緩和やビットコインの価格上昇があります。ビットコインは年初来で25%以上上昇し、約11万7000ドルで推移しています。
マイアミ・インターナショナルの概要とIPO条件
マイアミ・インターナショナルはMIAXブランドでオプション、先物、デリバティブ取引所を展開しています。株式はNYSEにMIAXのティッカーで上場予定で、1株19~21ドルで1500万株を売り出し、最大3億ドルを調達します。時価総額は約19億ドルとなる見込みです。主要株主にはウォーバーグ・ピンカスや大手トレーディング企業が名を連ねます。
投資家が注意すべきポイント
近年、サークルやコアウィーブなどのIPOが好調な結果を残しており、今回の2社も高い需要が見込まれます。ただし、ブリッシュは2025年第1四半期に3億4900万ドルの赤字を計上し、マイアミ・インターナショナルも上期の利益は210万ドルにとどまっています。
さらに、今回のIPOはいずれも売り出し株式数が少なく、初日株価が需給要因で急騰する可能性がありますが、その後ロックアップ解除(通常180日後)で株価が調整するケースもあります。短期的な熱気と長期的な投資判断を分けて考える必要があります。
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