宇宙テクノロジー企業ファイアフライ・エアロスペース(Firefly Aerospace)が、2025年8月7日(木)にナスダック市場に上場します。ティッカーシンボルは「FLY」で、IPO価格は43ドルに設定され、約7億ドルを調達する見込みです。
ブルーゴースト着陸成功とNASAとの連携
ファイアフライは2025年3月に月面着陸機「ブルーゴースト」の着陸に成功しており、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)プログラムにも参加しています。7月末には、NASAから2029年に月の南極地域に5つのペイロードを輸送するための契約(1億7,670万ドル)を獲得しました。
防衛大手との契約とバックログ
ファイアフライはロッキード・マーチン(LMT)やL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)、ノースロップ・グラマン(NOC)など大手防衛企業との契約を持ち、ノースロップ・グラマンからは5,000万ドルの出資も受けています。受注残高は11億ドルと発表されており、将来の売上成長に期待が集まります。
IPO市場の回復と「宇宙×防衛」ブーム
2025年に入ってからは、設計ソフトのフィグマ(FIG)、ドローン企業のエアロ・グループ・ホールディングス(AIRO)、ステーブルコイン企業のサークル・インターネット・グループ(CRCL)、エヌビディア支援のクラウドAI企業コアウィーブ(CRWV)など、多くの企業がIPOを成功させています。宇宙や防衛関連スタートアップへの投資熱も高まっており、ファイアフライの上場もこのトレンドの延長線上にあるとされています。
ETFへの組み入れも期待
現在のところ、ファイアフライはまだ主要な宇宙関連ETFには組み入れられていませんが、今後の定期リバランスで採用される可能性があります。キャシー・ウッド氏のARKX(ARK Space Exploration & Innovation ETF)や、バンエックのJEDI(Space Innovators ETF)などが注目されています。
今後の成長戦略に注目
専門家によれば、ファイアフライがIPOで得た資金をうまく活用できれば、政府系および商業系の宇宙事業で成長を加速できるとのことです。IPOで得た信頼と資金を、いかに次のミッションに生かしていくかがカギとなります。
*過去記事「月面着陸を成功させたファイアフライ・エアロスペース、IPO準備を本格化」
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