米国のエンタープライズソフトウェア大手オラクル(ORCL)の株価が再び注目を集めています。バーンスタインのアナリストが強気の見通しを示し、AIクラウドビジネスの成長が加速するとの予測を発表しました。
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アナリストが目標株価を引き上げ
2025年8月5日、バーンスタインのアナリストであるマーク・マードラー氏は、オラクルに対する「アウトパフォーム」評価を継続し、目標株価を従来の269ドルから308ドルへと引き上げました。
同日、株価は前日比1.4%上昇し、256.11ドルで取引されています(米国東部夏時間14:02現在)。今年に入ってから55%も上昇しており、ナスダック総合指数の9%の上昇を大きく上回っています。
マードラー氏は「オラクルの成長は今後数年間にわたって加速すると予想している」と述べ、同社のクラウドビジネスがまだ初期段階にあることを強調しています。
オラクル・クラウド・インフラストラクチャ(OCI)の急成長
オラクルのクラウド事業、特にオラクル・クラウド・インフラストラクチャ(OCI)は、世界第4位のハイパースケーラーを目指して順調に成長しています。
AI分野での存在感も際立っており、オラクルはエヌビディア(NVDA)と強力なパートナー関係を構築しています。昨年、同社の幹部マヘシュ・ティアガラジャン氏は、AIの大規模言語モデルを開発している大手5社のうち4社が、オラクルのデータセンターを利用していると述べていました。
中長期的に2桁成長を予想
マードラー氏によれば、オラクルは今後5〜10年の間に「中程度の2桁成長(mid-teens)」の売上成長率を維持できるとしています。短期的にはフリーキャッシュフローの抑制が続くものの、長期的には大きく増加すると見込んでいます。
BofAも目標株価を大幅引き上げ
同じく8月5日、BofAグローバルリサーチもオラクルの目標株価を220ドルから295ドルに引き上げました。ただし、投資評価は「中立」のままとしています。理由としては、AIインフラ需要の拡大が挙げられています。
数十億ドル規模のクラウド契約が業績を後押し
さらに注目すべきは、2025年6月にオラクルが提出した規制当局向けの書類です。同社CEOのサフラ・キャッツ氏は、現会計年度が「好調なスタートを切った」と述べた上で、いくつかの大型クラウド契約を締結したことを明かしています。そのうちの一つは、2028年度から年間300億ドル超の売上に寄与する見込みとされています。
AIクラウドの波に乗るオラクルに注目
AI需要の拡大とともに、オラクルのクラウド事業は今後も大きく成長していく可能性があります。すでに市場ではその将来性を織り込み始めており、アナリストの評価引き上げが続いています。今後も業績と株価の動向に注目が集まりそうです。
*過去記事「オラクル株下落も成長シナリオは健在?AIインフラ「スターゲート」最新動向」
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