2025年第2四半期の決算発表後、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価はさらに上昇し、8月5日のプレマーケットで5.3%高の169.22ドルに達しました。これは1年前の株価$24.09から実に+567%の急騰となります。
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「ソフトウェア業界で最高の物語」──アナリストが絶賛
D.A.デビッドソンのギル・ルリア氏は、パランティアを「すべてのソフトウェア企業の中で最も魅力的なストーリー」と表現し、目標株価を115ドルから170ドルに引き上げました。もっとも、株価の水準が「類を見ないほど割高」であることから、格付けは中立を維持しています。
現在のパランティアは、2025年の売上予想の100倍を超えるバリュエーションで取引されています。これは市場平均はもちろん、ソフトウェア業界の他企業と比べても異常なプレミアムです。
利益と成長の両立という稀有な存在
パランティアの特異性は、急成長を維持しながら成熟企業並みの収益性を実現している点にあります。第2四半期のGAAPベース営業利益は2億6900万ドル、営業利益率は27%、フリーキャッシュフローも売上の過半に達し、現金・短期投資残高は60億ドルに及びます。
他のグロース株が調整後指標に頼る中、GAAPベースでこれだけの利益を出している点が投資家にとって安心材料となっています。
軍事ビジネスの象徴「TITAN」で新たな地位確立
さらに注目を集めているのが、米陸軍との最新プロジェクト「TITAN」です。これは人工知能による現場分析を行う移動型データユニットで、ノースロップ・グラマン(NOC)やL3ハリス(LHX)といった伝統的な軍需企業がハードウェアを手掛けた一方、パランティアが主要契約者として全体を統括している点が画期的です。
これは、今後の軍事調達の主役がソフトウェア企業に移行していくことを象徴する出来事として、市場の注目を集めています。
「今後5年続けられるか?」CEOカープ氏の自信
アレックス・カープCEOはバロンズの取材にて、「今後5年にわたってこの成長を維持できるか?」という問いに対し、こう答えています。
「パランティアの単位経済性は、顧客のそれよりも上流にある。我々の財務モデルを真似したいと思ってもらえるところに価値がある。」
つまり、顧客自身がパランティアを使うことでより良い経済性を手に入れられる、という点を成長の源泉にしているというのです。
リスクは?高バリュエーションと成長鈍化の可能性
一方で、リスク要因も無視できません。ウィリアム・ブレアのアナリストLouie DiPalma氏は、パランティアが2026年予想フリーキャッシュフローの約194倍で取引されており、同業2位の47倍と比べても突出していると指摘しています。
さらに、第4四半期以降は成長率の鈍化と競争激化が予想されており、株価のボラティリティは依然として高い状況です。
まとめ:最強ストーリーは続くのか?
パランティアはこれまで19回の四半期決算のうち18回で売上予想を上回る結果を出していますが、株価の反応はその半数近くで下落という激しさもあります。今回のQ2決算は、その中でも最も力強い内容の一つとなりました。
株価は天井知らずに見えますが、バリュエーションの高さが今後の成長鈍化と重なる場合、調整局面を迎える可能性もあります。「成長」と「収益性」の両立が続くのか──次なる決算も引き続き注目が集まります。
*過去記事はこちら パランティア PLTR
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