AIバブル崩壊の前兆?プロが注目する「半導体指数」の異変

2025年8月1日付の米メディア「バロンズ(Barron’s)」は、「AIバブルを懸念するならこの指標を見よ」と題した記事を掲載しました。記事では、AI関連銘柄の過熱感と今後の相場動向を占う上で、半導体株の動きが重要なシグナルになると指摘しています。

ナラティブが相場を動かす

バロンズにコメントを寄せたセブンス・レポート社のトム・エッサイ氏は、「現代のあらゆるバブルは“ストーリー”に基づいてきた」と述べています。インターネット・バブル、住宅バブルといった過去の例を引き合いに出し、現在のAIブームも同様の構造を持つ可能性があると指摘しました。

エヌビディアは“夢が続いている”象徴

エッサイ氏は、エヌビディア(NVDA)がAIブームの象徴的存在であり、同社の株価が最高値を更新している限り、市場はAIの可能性を信じて前向きに進んでいると述べています。ただし、個別銘柄だけでは全体像はつかめないとも警告しています。

PHLX半導体指数が示す“違和感”

より広い視点で市場を測るためには、PHLX半導体指数(SOX)の動向を見るべきだと記事は続けます。SOXはエヌビディアのほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム(QCOM)、マイクロン・テクノロジー(MU)、ブロードコム(AVGO)、マーベル・テクノロジー(MRVL)などを含む指数です。しかし、このSOX指数は2024年7月以来、最高値を更新しておらず、S&P500が複数回の最高値を記録するなかで明確な“乖離”が生じているとされています。

半導体が崩れれば、S&P500も…

エッサイ氏は、「今後、SOXが本格的に崩れ始めた場合、S&P500もその後を追う可能性が高い」と述べ、慎重な姿勢を促しています。現段階ではバブル崩壊を示す決定的な証拠はないものの、「マーケットはリスクを過小評価し、株価に織り込めていない」との見方を示しています。

高値圏での利確も視野に

記事では、「AI関連株は今のところ投資家の期待に応えてきた」としつつも、バリュエーションの高さを支える“強い業績”がいつまで続くのかには不透明感もあると指摘します。そのため、今後の相場展開によっては部分的な利確やディフェンシブ姿勢へのシフトも一考の価値があるとしています。

AIブームの中で、冷静な視点を持つために“半導体株の動向”を見逃さないことが、今後の投資判断の鍵になるかもしれません。

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