雇用失速と関税ショックで米国株急落!好決算でも止まらない売り圧力

  • 2025年8月2日
  • 2025年8月2日
  • BS余話

2025年8月1日の米国株式市場は、主要ハイテク企業の好調な決算にもかかわらず、週間で大きく下落しました。背景には、7月の米雇用統計の悪化と、トランプ大統領による新たな関税発表があるとされています。

S&P500は5月以来の週間下落率、雇用統計が警戒材料に

S&P500は週間で2.4%下落し、ダウ平均は2.9%、ナスダック総合指数は2.2%下落しました。マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アップル(AAPL)といった大手企業が好決算を発表したにもかかわらず、市場全体のムードは改善しませんでした。

米ジョーンズ・トレーディングのチーフマーケットストラテジストであるマイケル・オルーク氏は、「いわゆる『マグニフィセント・セブン』にとって良いニュースが、必ずしも市場全体にとって良いとは限らない」とコメントしています。

雇用の鈍化が経済全体に影を落とす

7月の非農業部門の雇用者数はわずか7万3,000人増と、市場予想を大きく下回る結果となりました。過去2カ月の雇用増加数も合わせて25万8,000人分が下方修正されており、これは2020年6月以来、最も低い3カ月間の雇用増加となります。

トランプ大統領は雇用統計の発表後、労働統計局のコミッショナーを解任するという異例の対応を取りました。クリアブリッジ・インベストメンツのエコノミストであるジェフ・シュルツ氏は、「雇用市場は明確に減速局面に入っている」と述べています。

利下げ観測と関税リスクが交錯

弱い雇用統計を受けて、9月のFRBによる利下げへの期待は高まりました。しかし、今回に限っては「悪いニュースが良いニュースにつながらない」可能性が指摘されています。トランプ大統領が週内に新たに発表した関税政策が、企業の投資判断や雇用計画に悪影響を与えているためです。

具体的には、ブラジル製品に対して50%、スイス製品に対して39%、カナダ製品に対して35%の追加関税が発表されました。独立系エコノミストのピーター・ブックバー氏は、「関税の不確実性が企業の意思決定を遅らせている」と指摘しています。

株式市場の先行きは不透明

一部では「次の雇用統計でマイナスになる可能性がある」との懸念も出ており、景気後退のリスクが再び意識され始めています。米国株式市場は、企業業績が堅調でも、マクロ経済の不透明感と政策リスクが上値を抑える構図が続いています。

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