2025年8月1日、デザインソフト大手フィグマ(FIG)の株価が上場2日目も上昇し、終値は122.00ドルとなりました。記録的なIPO初日を経た後も買い注文が続き、市場は成長性と将来の収益拡大に期待を寄せています。
上場初日に株価3倍、2日目も続伸し終値は122ドル
フィグマ(FIG)は7月31日にナスダック市場へ上場し、発行価格33ドルに対して終値は115.50ドルと約3.5倍の急騰を記録しました。上場2日目の8月1日にはさらに株価が上昇し、終値は122.00ドルとなりました。
これにより、終値ベースでの時価総額は約594億ドルに達しています。上場からわずか2営業日でこれほどの評価を受けるのは極めて異例であり、フィグマに対する市場の関心の高さが表れています。
キャシー・ウッド氏が6万株を取得
ARKインベストメントのCEOであるキャシー・ウッド氏は、上場初日にフィグマ株を6万株購入しました。これは同社のARK Next Generation Internet ETF(ARKW)を通じたものであり、AIやクラウド領域に強みを持つ成長企業への積極投資の一環と考えられます。
著名投資家の買いは、個人投資家や他の機関投資家にとっても大きな注目材料となっています。
高評価の裏にあるリスク:P/Sは約79倍に
フィグマは2024年に7億4,900万ドルの売上を記録し、前年比48%の成長を遂げました。2025年第1四半期もこの成長率を維持しています。
しかしながら、終値122ドル時点での時価総額をもとに算出すると、株価売上倍率(P/S)は約79倍となります。これはアドビ(ADBE)の約11倍と比べて大幅に高く、今後の成長がこの評価を正当化できるかが、投資判断において重要なポイントとなります。
AI対応と製品拡張への期待が追い風に
フィグマは今回の上場で調達した資金をもとに、AIツールの開発や開発者向けソフトウェア領域への進出を加速させると見られています。特にデザイン分野では、AIの活用がユーザー体験と生産性を大きく変える可能性があるため、市場からの期待は高まっています。
D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は「フィグマはすでに幅広く利用されており、AI機能の拡充が進めば、さらに急成長が見込まれる」と述べています。
今後のカバレッジと株価動向に注目
IPO後、アナリストによる公式レポートの発表には一定の空白期間があり、通常25日程度は評価が控えられます。そのため、今後ウォール街の本格的なカバレッジが始まる時点で、株価に新たな変動が起こる可能性もあります。
上場2日目にして時価総額594億ドルを突破したフィグマは、AI時代のデザインソフト市場における主役候補としての地位を早くも確立しつつあります。今後の業績や戦略次第では、長期的に注目すべき銘柄となる可能性があります。