2025年7月31日、米メディア「バロンズ」は、ゲームプラットフォームを展開するロブロックス(RBLX)が第2四半期決算を発表し、市場の期待を大きく上回ったことを特集しました。この記事では、その決算内容と背景にあるユーザー動向、今後の見通しが詳しく紹介されています。
株価は過去最高値を更新へ
ロブロックスの株価は決算発表後に13%上昇し、1株あたり141.18ドルに達しました。これは2021年11月以来となる史上最高値に迫る水準であり、過去1年間で205%という驚異的な上昇率を記録しています。ナスダック100指数の同期間の上昇率が24%であることを考えると、ロブロックスのパフォーマンスは際立っています。
主力指標「ブッキング」が前年比51%増
今回の決算で特に注目されたのは、売上計上基準よりも実態に近いとされる「ブッキング(予約売上)」です。第2四半期のブッキングは前年同期比で51%増加し、アナリストの予測であった34%増を大きく上回りました。
また、日次アクティブユーザー数は前年比41%増、総プレイ時間も58%増加しており、ユーザーのエンゲージメントの高さが際立ちます。
ヒット作「Grow a Garden」が記録達成
今回の好調な業績を牽引したのは、「Grow a Garden」という新作ゲームです。ロブロックス上で活動する開発者BMWLux氏によって制作されたこの農場シミュレーションゲームは、2025年3月末に登場してからの訪問数が210億回を超え、6月には同時接続プレイヤー数で過去最高の2,200万人を記録しました。
この爆発的な人気は、ロブロックスが2022年〜2023年にかけて行ったクラウドインフラへの巨額投資の成果とも言えます。
プラットフォームの多様性と将来性
ロブロックスは単なるゲーム会社ではなく、ユーザーが自由にゲームを開発・公開できる「ゲーム版YouTube」とも呼ばれるプラットフォームです。人気作が現れては消えるというサイクルが自然発生的に生まれる仕組みにより、持続的な成長が可能となっています。
また、会社側は年間20%以上の売上成長を目指しており、今回はその長期目標すら大きく超える結果となりました。
財務状況と収益モデルの特殊性
ロブロックスの財務は一見わかりづらい面があります。売上の約90%は27ヶ月に分けて認識されるため、四半期ごとのGAAPベースの売上は過去の実績を反映しています。そのため、現在では「ブッキング」が主要な業績指標として注目されています。
なお、過去12ヶ月のフリーキャッシュフローは9億4,200万ドルに達しており、6月末時点での現金および投資残高は47億ドルにのぼります。未計上の繰延収益も51億ドルと、今後の収益化が期待される要素が豊富です。
おわりに
ロブロックスは、ゲームという枠を超えた次世代プラットフォームとして着実に成長を続けています。今回の決算は、その成長力とビジネスモデルの強さを市場に再確認させる内容となりました。