2025年7月31日、米国株市場ではエヌビディア(NVDA)の株価が取引時間中に過去最高値となる183.30ドルを記録しました。終値では180ドルを超えることはできず、177.87ドルで取引を終えましたが、投資家の注目がAI関連半導体に集まっていることを示す動きとなりました。
この株価上昇の背景には、前日発表されたマイクロソフト(MSFT)とメタ・プラットフォームズ(META)の好調な決算があります。両社は、AI関連ハードウェアへの大規模な支出継続を明言しており、その恩恵を最も受ける企業の一つがエヌビディアだと市場は見ています。
マイクロソフトとメタの決算が示すAI投資の加速
マイクロソフトは第4四半期の設備投資が240億ドルと、市場予想(214億ドル)を大きく上回りました。また、同社はAIワークロード向けのクラウドサービス需要が年内はデータセンターの供給能力を上回るとの見通しを示しています。
一方のメタは、2025年の設備投資見通しの下限を660億ドルから720億ドルへと引き上げ、さらに2026年も「同様に大規模な投資が続く見込み」としています。アナリストの間では、2026年の設備投資が1,000億ドル規模になるとの見方も浮上しており、その多くがAIチップに費やされるとみられています。
欧州でもAIインフラ拡大、ノルウェーで大規模プロジェクト
さらに、オープンAI、インフラ企業Nscale、産業大手Akerによる共同プロジェクト「Stargate Norway」も、エヌビディアにとっての追い風となりそうです。このプロジェクトでは、2026年末までにノルウェーのナーヴィクにある施設に10万基のエヌビディア製GPUを設置し、再生可能エネルギーを活用してAI演算を行うと発表されています。
他の半導体銘柄は下落、選別の動き強まる
この日の株式市場では、マイクロソフトとメタの恩恵を受けるエヌビディアとは対照的に、他の半導体企業は軟調な動きを見せました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は1.8%下落、ブロードコム(AVGO)は2.95%の下げとなりました。AI関連の需要を背景に、エヌビディアへの資金集中が続いています。
今後の注目ポイント
今後もGAFAMを中心としたAI投資の動向は、エヌビディア株に大きな影響を与えると考えられます。特に、企業の設備投資がAIインフラに向かう中で、最も多くの恩恵を受ける半導体メーカーがどこか、という点に市場の関心が集まっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA