2025年7月31日、米メディア「マーケットウォッチ」は、メタ・プラットフォームズ(META)の第2四半期決算と、その後の株価急騰について特集しました。記事では、ウォール街のアナリストたちが「理解を超えるほど強い成長」と評するほど、メタの業績が市場の想定を上回っていることが紹介されています。
売上成長率は前年同期比22%、次四半期も加速の見通し
メタの6月期売上は前年同期比で22%以上の増加となり、9月期の売上ガイダンスも最大で24%増と強気の見通しが示されました。特に注目されたのは、AI投資の成果が広告分野で具体的な成長に結びついている点です。ユーザーエンゲージメントと広告最適化が売上成長の大きな要因となっています。
AI時代の主導権を握るための積極投資
バーンスタインのアナリストは「この規模でこの成長率は理解しがたい」と指摘しつつ、メタがAI時代の勝者となるために時間を“購入”していると評価しました。同社は2026年にかけてAI人材の採用やサーバー減価償却により、総経費の20%以上の増加を見込んでおり、来年の設備投資は1,000億ドル規模に達すると予想されています。
この水準の投資は、アマゾンのAWSやマイクロソフトのAzureなど、他のクラウド大手と並ぶものと見られています。
スーパーインテリジェンスと5つのAI戦略
メタは現在、広告改善やユーザー体験の向上にAIを活用しており、これは5つのAI戦略のうちの最初の2つに該当します。モフェットナサンソンのアナリストによれば、残る3つの分野(ビジネスメッセージング、Meta AI、AIデバイス)は長期的な成果が必要で、当面は希薄化リスクが残ると見られています。
それでも、同社のAI戦略は明確かつ革新的であり、スマートフォンに代わる次世代デバイスを開発するという構想も持っています。これが現実になれば、アップルやグーグルといった既存のモバイルゲートキーパーの影響力は低下する可能性があります。
メタのAI戦略は利益成長をもたらすのか
モフェットナサンソンは、2025年の売上成長率を20%に上方修正し、今のところ営業利益率への悪影響はないと分析しています。ただし、2026年以降は設備投資の増加によるコスト負担が再び意識されるかもしれません。
それでも、現時点でメタはAI関連支出の恩恵を最も早く受けている企業の一つとされており、広告収益の拡大と継続的なユーザー成長によって、高い成長期待が維持されています。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ