フィグマがIPO初日に株価250%上昇、過去最大の上場初値記録を更新

  • 2025年8月1日
  • 2025年8月1日
  • BS余話

2025年7月31日、デザインソフトウェア企業フィグマ(FIG)の株式がニューヨーク証券取引所に上場し、初値はIPO価格を157%上回る85ドルで始まり、その後も上昇を続けて終値は115.50ドルとなりました。これはIPO価格33ドルから実に250%の上昇であり、5億ドル以上を調達したIPOとしては史上最大の初日上昇率を記録しました。

ソフトウェア業界の「世代を代表する企業」として注目

市場調査会社ピッチブックのデレク・ヘルナンデス氏は、フィグマを「プロダクトデザイン市場でほぼ独占的な立場を築いたSaaS企業」と位置づけています。同氏によると、フィグマはアドビ(ADBE)のAdobe XDや、民間企業のSketchを着実に追い抜いてきたといいます。過去にはアドビが約200億ドルで買収を試みたものの、規制当局の懸念から破談になった経緯があります。

IPOは12億ドルを調達、時価総額は676億ドル規模に

今回のIPOでは、フィグマと既存株主合わせて約3,694万株を売却し、総額12.2億ドルを調達しました。このうち企業としての調達額は約4.1億ドル。IPO価格を基にした時価総額は約193億ドルでしたが、初日の終値ベースでは676億ドルまで急拡大しました。

CEOのディラン・フィールド氏は、かつてピーター・ティールのフェローシップを受けて起業家としての道を歩み始めた人物で、今回の上場では自身の保有株235万株を売却し、約7,760万ドルを手にしたことも注目を集めています。

フィグマの成功がIPO市場の再活性化を促すか

今回のIPOは、AIデータセンター企業のコアウィーブ(CRWV)、決済テクノロジー企業のサークル・インターネット・グループ(CRCL)、オンライン証券のイートロ・グループ(ETOR)、そしてオンライン銀行サービスのチャイム・ファイナンシャル(CHYM)など、2025年に入ってから続いた大型上場の一環でもあります。

DAデビッドソンのアナリストであるギル・ルリア氏は「新規上場企業の不足に投資家は飢えている」と述べ、今後はキャンバやデータブリックス、ジェネシスクラウドサービスなどの注目企業にも上場の機運が高まる可能性を示唆しています。

今後も期待されるフィグマの成長性

フィグマはすでにフォーチュン500企業の95%に導入され、月間アクティブユーザー数は1,300万人超。売上の半分以上が米国外からのもので、国際展開も順調です。ヘルナンデス氏は「この会社ほどの水準の企業は久しぶり」と高く評価しており、長期的な成長への期待が市場に反映された結果とも言えるでしょう。

*過去記事「<フィグマIPO>時価総額193億ドルで上場へ 注目集めるAI時代のSaaS企業

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