2025年7月31日付の米投資情報メディア「バロンズ」は、マイクロソフトとメタ・プラットフォームズの最新決算をもとに、ビッグテック企業の経済・市場に対する影響力の大きさを特集しました。
マイクロソフト、時価総額4兆ドル超え
マイクロソフト(MSFT)は2025年6月期第4四半期に売上764億ドルを計上し、通期売上は2,820億ドルに達しました。ウォール街の予測では、今後12ヶ月で売上は3,200億ドルに拡大するとされており、これはチリのGDPに匹敵する規模です。
クラウド部門の受注残高は3,680億ドルとされ、今後の成長余地が大きいことがうかがえます。加えて、AI関連データセンターへの設備投資額は年間1,200億ドルに達する見通しで、これはマイクロソフトがAI分野で主導的な地位を築いている証といえます。
*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT
メタもAIに積極投資、72億ドル超を計画
フェイスブックやインスタグラムを傘下に持つメタ・プラットフォームズ(META)も、AI関連インフラへの投資を拡大しており、2025年は最大720億ドル、さらに2026年にはそれを上回る投資計画を発表しています。
CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、「AIの進歩は非常に速く、今後数年で世界は大きく変わる可能性がある」と述べ、長期的視点での投資継続を示唆しています。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ
GAFA+エヌビディアでS&P500の35%を占める
マイクロソフト、メタ、グーグル(アルファベット)、アマゾン、アップル、エヌビディアの6社で、S&P500指数の時価総額の約35%を構成しています。マイクロソフト単体の株価上昇による時価総額の増加は3,300億ドルにのぼり、これはシェブロンやコカ・コーラ、AMDなど475社の時価総額を上回ります。
AIスタートアップの急成長とGDPへの寄与
AIスタートアップのアンソロピックは1700億ドル規模の評価額に迫っており、ネットフリックスの時価総額を超える水準です。さらに、トップ10のAIスタートアップを合わせると5,120億ドル以上となり、既存の大型企業と肩を並べる存在となっています。
経済面でもAI分野への支出は米国のGDP成長に大きく貢献しており、マッキンゼーの推計では2030年までにAI関連の設備投資は累計7兆ドルに達するとされています。
おわりに
この記事では、バロンズが報じたビッグテックの決算や設備投資計画を通じて、AIが今後の経済構造を根本から変える可能性を提示しています。これまでの消費主導経済から、AIインフラ主導の新たな成長サイクルに移行しつつある今、投資家にとっても注目すべき局面といえそうです。