アンソロピックの年換算売上が50億ドルに迫る勢い、巨額資金調達も視野

  • 2025年8月1日
  • 2025年8月1日
  • BS余話

米メディア「The Information」は2025年7月31日、AIスタートアップであるアンソロピック(Anthropic)の急成長と資金調達状況に関する詳細なレポートを公開しました。記事では、同社の年換算売上が50億ドル目前まで成長していることが明らかにされています。

数週間以内に最大50億ドルを調達か

アンソロピックは現在、新たな資金調達ラウンドを実施中で、当初は30億ドルの調達を目指していましたが、投資家からの関心が高まったことにより、最大50億ドルを調達する可能性があると報じられています。企業評価額は1,700億ドルとされ、主幹事はアイコニック・キャピタル(Iconiq Capital)です。

Claudeモデルとコード生成が成長を牽引

Claudeモデルの開発と運用にかかる巨額なコストを補うため、アンソロピックは多額の資金を必要としています。同社は2025年に30億ドルのキャッシュを消費する見通しで、前年には56億ドルを消費しています。

特に収益の急成長を支えているのが、コード生成領域におけるシェアの拡大です。Menlo Venturesによると、アンソロピックはコード生成市場(約19億ドル規模)で約42%のシェアを占めており、オープンAIの21%を大きく上回っています。ClaudeモデルはCursorなどのスタートアップに利用されており、Claude CodeというプロダクトもサブスクリプションおよびAPI経由で提供されています。

上位2社だけで12億ドル超の収益

同社の主要顧客2社(CursorおよびGitHub Copilotと推測されています)だけで、年換算12億ドル以上の売上を占めているとされ、こうした法人顧客との関係が収益拡大に大きく寄与しています。また、これらの2社を除いても、前年同月比で11倍の成長を遂げていると関係者は述べています。

高水準の粗利と投資家への説明戦略

アンソロピックの粗利益率は約60%とされており、これはオープンAIの昨年の約40%、今年見込まれる約50%よりも高い水準です。同社はAIモデルの推論コストや販売パートナー(AWSやGoogle Cloud)経由の売上も含めた形で、効率性の高さをアピールしています。

さらに、同社は一部の投資家に対して、モデルのトレーニング費用を売上原価に含めた場合でも損益トントンになると説明しており、これはオープンAIが採用していない会計処理手法です。仮にオープンAIが同様の処理を行った場合、今年の粗利益率はマイナス12%になるとも試算されています。

投資家からの注目度は引き続き高い

ChatGPTを展開するオープンAIが年換算120億ドルの売上を背景に400億ドルの資金調達を進める中、アンソロピックも同様に注目の的となっています。両社の戦略や会計処理方針の違いも、投資家の評価材料となっているようです。

今後のClaudeモデルの進化や収益モデルの多角化に注目が集まります。

*関連記事「オープンAIの年商が120億ドル突破!ChatGPTの進化が止まらない

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