2025年7月30日付の米メディア「The Information」の記事によると、オープンAIが急成長を続けており、年換算の売上が120億ドルに達したそうです。2025年初頭には月間売上が約5億ドルだったことから、わずか7カ月で倍増したことになります。
ChatGPTの週間アクティブユーザーは7億人に拡大
同記事によると、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は7億人を突破しており、3月時点の5億人から大幅に増加しました。利用者の多くは、個人ユーザーだけでなく企業のビジネス用途にも広がっていると伝えられています。
収益成長に伴うコスト増も明らかに
売上拡大の裏側で、オープンAIのキャッシュ消費(キャッシュバーン)は2025年の見通しで80億ドルに達する見込みとのことです。当初の予測より10億ドル増加しており、サーバーレンタル費用などAI運用にかかるコストの増大が背景にあります。
ソフトバンク主導の大規模資金調達も進行中
オープンAIは現在、ソフトバンクを中心とした400億ドル規模の資金調達を進めており、既にそのうちの100億ドルは6月に調達済みです。残りの300億ドルのうち、セコイアキャピタルやタイガー・グローバル、ドラゴニア、ファウンダーズファンドなどが75億ドル分の出資を最終調整中とされています。
ソフトバンクは、オープンAIの営利部門が将来的に上場可能となるよう企業構造を再編することを条件に、残り225億ドルを年末までに出資する意向です。
法人向けサービス強化でマイクロソフトやグーグルと競合へ
オープンAIは企業向けに「Deep Research」機能を活用したレポート作成支援や、スプレッドシートやプレゼン資料の作成機能なども展開しており、これによりマイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)との競争が激化すると見られています。また、ChatGPT Enterpriseプランでは10〜20%の割引オファーも提示されているとのことです。
ライバルのアンソロピックの動きにも注目
記事では、オープンAIのライバルであるアンソロピックの急成長にも触れられています。同社の年換算売上は40億ドルに達し、年内に時価総額を1700億ドルに引き上げる資金調達を模索していると伝えられています。2026年には120億ドルの売上達成を目標としており、コード生成に強みを持つAI製品の展開がその原動力になるとされています。
今回のThe Informationの記事では、オープンAIとアンソロピックを中心に、AI業界における競争の加速と巨額の資金調達、さらには生成AIの法人活用の進展が明確に描かれています。引き続き、両社の動向に注目です。