<メタ決算続報>AI広告が成長を加速、株価は時間外で11%急騰

2025年7月30日の決算発表後、メタ・プラットフォームズ(META)の株価は時間外取引で11.5%上昇しました。この上昇は、単に決算数値の好調さだけではなく、その背後にある明確なメッセージ――AI戦略の成果が着実に形になりつつあるという確信が、投資家心理を強く刺激した結果といえます。
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広告の質とユーザー体験を同時に向上させるAIの力

メタは今四半期、170億ドルをAI関連の設備投資に費やしましたが、その支出が実を結びつつあります。特に広告分野におけるAIの貢献が際立っており、生成AIを活用した広告クリエイティブが広告収益の中で存在感を増しています。

マーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で、「生成AI機能を活用した広告キャンペーンが、当社の広告売上の相当な割合を占めるようになってきた」と発言。特に少ない予算で広告を出す中小企業にとって、AIツールの恩恵は大きいと強調しました。

SNS滞在時間もAIで増加、リールや動画編集ツールも進化中

AIによるコンテンツ推薦の精度も向上しており、ユーザーがInstagramやFacebookで過ごす時間は、前年同期比でそれぞれ6%、5%増加しました。おすすめアルゴリズムの改善により、「ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツ」が届くようになり、エンゲージメントが向上しています。

さらにメタは、AIによる動画編集ツールの開発でも「初期段階ながら手応えを感じている」としており、今後はクリエイター向けのサポート機能としてもAIが活躍することが期待されます。

利益率は改善、過度な広告は回避する姿勢も評価

注目すべきは、これだけのAI投資を行いながらも、メタの営業利益率が43%に上昇している点です(前年同期は38%)。米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は「これは利益の洪水だ」としつつ、広告表示数をまだ意図的に抑えていると分析。ユーザー体験を犠牲にせずにさらなる収益化の余地がある点も、投資家の期待を高めています。

Llamaの将来性は未知数ながら、データ獲得戦略としては有望

一方、メタが進める独自の大規模言語モデル「Llama(ラマ)」については、GoogleのGeminiやオープンAI、X(旧Twitter)のGrokに対して現時点では劣るとの見方もあります。しかし、ピボタル・リサーチのアナリスト、ジェフ・ウロダルチャック氏は「Llamaはオープンソース戦略があるため、長期的には低コストで競争力を持ち得る」と指摘しています。

また、仮に収益に直結しなくとも、Llamaを通じたユーザーデータの収集が、メタのAI進化を加速させる可能性もあります。

メタは「AIで未来を作る企業」へと脱皮しつつある

今回の決算と株価の反応から見えてくるのは、メタがもはや単なるSNS企業ではないという現実です。AIを核とした収益モデルの確立、ユーザー体験の強化、クリエイター支援、次世代広告の開拓――そのすべてにおいて、AIが中心にあります。

マーク・ザッカーバーグ氏の言う「個人のためのスーパーインテリジェンス」という構想が、着実に形になりつつある中で、投資家もその未来に本格的に賭け始めています。

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