ビザが好決算発表!純利益8%増、売上は予想超え

  • 2025年7月30日
  • 2025年7月30日
  • BS余話

2025年7月29日、決済大手のビザ(V)が発表した2025年第3四半期の決算は、消費者の支出が堅調であることを反映した内容となりました。物価高や景気減速への懸念がある中でも、カード利用は引き続き増加傾向にあります。

純利益は5.3億ドル、前年比8%増加

ビザは、第2四半期の純利益が前年同期比で8%増加し、53億ドル(1株あたり2.69ドル)となったと発表しました。ファクトセットがまとめた市場予想(2.81ドル)には届きませんでしたが、売上は14%増の102億ドルと予想を上回りました。

調整後の純利益は58億ドル、1株あたり利益は2.98ドルとなり、アナリスト予想(2.85ドル)を上回る結果となりました。

同社の最高経営責任者ライアン・マキナーニー氏は、「消費者支出は引き続き堅調で、米国における裁量支出と非裁量支出の両方で成長が見られる」とコメントしました。

売上増加の背景は決済量の拡大

ビザの収益は、決済総額、国際間取引量、処理取引件数の増加により押し上げられました。ビザブランドのカードによる全世界の決済総額は8%増加しました。

米国内と海外の決済ボリュームは、それぞれ7%および10%の成長(為替変動調整後)を記録しました。モルガン・スタンレーのアナリストは、米国での成長を7%と予測しており、可視化アルファのデータでも6.7%の成長が予想されていました。

ビザは、決済総額において世界最大のカードネットワークを誇っており、マスターカード(MA)やアメリカン・エキスプレス(AXP)、今年キャピタル・ワンに買収されたディスカバー・ファイナンシャル・サービスと競合しています。

株価は時間外で下落も、年初来では堅調

決算発表後、ビザの株価は時間外取引で2.6%下落しましたが、年初来では12%上昇しており、S&P500の9%の上昇を上回るパフォーマンスとなっています。先月には、終値ベースで過去最高の373.31ドルを記録しています。

経済見通しに楽観的な姿勢も

ビザだけでなく、JPモルガンチェースやバンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エキスプレス、ペイパルなどの銀行・決済企業も、今四半期は堅調な決算を発表しています。

JPモルガンの最高財務責任者ジェレミー・バーナム氏は、「失業率が4.1%という状況では、我々のポートフォリオにおいて明確な弱さが出るのは難しい」と述べました。

一方で、企業業績に対する投資家の期待も高くなっています。アメリカン・エキスプレスは四半期の売上と利益が市場予想を上回ったにもかかわらず、株価は下落しました。

また、同日発表されたペイパル(PYPL)の決算では、注目されていた取扱高の指標が予想を下回ったため、株価は約9%も下落しました。とはいえ、売上および1株あたり利益は予想を上回っています。


このように、消費支出の堅調さが決済業界全体の成長を後押ししている一方で、投資家は高い成長期待を企業に求めており、業績発表後の株価変動には注意が必要です。

*過去記事「ビザ株は今が買い時?ステーブルコインと訴訟リスクをどう見るか

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