2025年7月29日、ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)の株価が、過去最高の四半期決算を受けて時間外取引で11%近く上昇しました。CEOアンソニー・ノト氏は「今が最も低いレベルだ。これからさらに良くなる」と自信を見せています。
売上は44%増、過去2年で最高の成長率
同社の2025年第2四半期の売上は前年同期比44%増の8億5800万ドルとなり、過去2年間で最も高い成長率を記録しました。調整後1株利益は8セントで、ブルームバーグ調査によるアナリスト予想(6セント)を上回りました。
ノトCEOはバロンズとのインタビューで、「当社の規模で44%もの売上成長率を達成し、EBITDAマージンも29%というのは非常に稀なことです」と述べ、消費者のニーズを正確に捉えている点を強調しました。
各部門も好調、金融サービスは106%増
事業別では以下の通り、すべてのセグメントで2桁の成長を達成しました。
- 技術プラットフォーム部門:売上は1億1000万ドル(+15%)
- 貸付部門:売上は4億4700万ドル(+32%)
- 金融サービス部門:売上は3億300万ドル(+106%)
また、会員数も過去最高の85万人増となり、全体で1170万人に到達しました(+34%)。
通期ガイダンスを再び上方修正
経営陣は好調な上半期の実績を受けて、2025年通期の見通しを再び引き上げました。
- 調整後売上予想:33.75億ドル(従来は32.35〜33.1億ドル)
- 調整後EBITDA予想:9.6億ドル(従来は8.75〜8.95億ドル)
- 調整後1株利益予想:31セント(従来は27〜28セント)
高金利下でのリファイナンス需要が追い風
金利が依然として高水準にある中、クレジットカードの支払いが利息中心になっており、消費者が高金利のカード債務(平均25%以上)をソーファイでより低金利(約12〜13%)のローンに借り換える動きが加速しています。
貸付部門の融資総額は64%増の88億ドルと過去最高を更新。特に住宅ローンの伸びが顕著で、前年同期比92%増の7億9900万ドルとなりました。
AIと暗号資産への投資も強化
同社はAIや暗号資産といった新興技術への取り組みも強化しています。ノトCEOは「社内全体でAI活用を進めており、バックオフィスのコンプライアンス対応や不正検知、チャットボット対応にAIを試験的に導入している」と説明しました。
また、2023年以来となる暗号資産サービスへの本格復帰も発表しており、ビットコイン(BTCUSD)などの保有やブロックチェーン送金機能を会員向けに提供する方針です。
「我々は世界中で通貨の不安定な国にいる人々に、価値保存の手段としてこの資産クラスへのアクセスを提供できるのです」とノト氏は述べています。
今後の成長にも自信
ノトCEOは「今が最悪の状態です。今後はAIやブロックチェーンといったテクノロジーによって送金スピードが飛躍的に向上し、サービスはさらに良くなっていく」と語りました。
ソーファイ・テクノロジーズの成長は単なる金融のデジタル化にとどまらず、AI・暗号資産・統合金融サービスを通じて、次世代のフィンテック基盤を築きつつあります。今後の展開にも注目が集まります。