2025年7月27日、米メディア「バロンズ」は、シェルの年金資金を運用するShell Asset Management Co.(通称Samco)が、2025年第2四半期に米国の主要テクノロジー株を買い増したことを報じました。
エヌビディア株を大幅に買い増し
報道によると、SamcoはAIチップ大手のエヌビディア(NVDA)株を25万株以上追加購入し、保有株数は124万株を超えました。エヌビディア株は2025年上半期に18%上昇し、さらに第3四半期に入ってからも約10%の上昇を見せています。
7月には、エヌビディアの時価総額4兆ドルを突破し、トランプ大統領が同社の中国向けH20チップの販売禁止を解除したことも株価の追い風となりました。さらに、ジェンスン・フアンCEOが中国商務相と面会したことも注目されています。
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アップル株も追加購入、経営幹部の交代も
SamcoはiPhoneメーカーのアップル(AAPL)株も約14万株追加し、保有株数を70万株超に引き上げました。アップル株は2025年上半期に18%下落したものの、第3四半期に入ってからは4%超の回復を見せています。
なお、同社では7月にAI人材がメタ・プラットフォームズ(META)へ移籍したことが話題となったほか、最高執行責任者(COO)ジェフ・ウィリアムズ氏が今月中に退任することも発表されています。後任にはサビフ・カーン氏が就任します。
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マイクロソフト株も保有拡大
マイクロソフト(MSFT)についても、Samcoは約7万株を買い増し、保有株数は34万株を突破しました。同社の株価は2025年上半期に18%上昇し、第3四半期も堅調に推移しています。
一方で、マイクロソフトは7月に約4,000人の人員削減を実施したほか、サーバーソフトウェアを狙った「アクティブな攻撃」への注意喚起とアップデートの提供も行っています。
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大手機関投資家による動きに注目
このように、シェルの資産運用部門による大型株への積極的な投資姿勢は、AI関連技術やソフトウェア分野における今後の成長性に対する期待を反映しているといえます。