2025年7月28日の米国株式市場でGEベルノバ(GEV)の株価がアナリスト2人による格下げにもかかわらず上昇しました。同社は天然ガス発電と電力網テクノロジーで業績を伸ばしており、投資家の関心を集め続けています。
格下げにも関わらず株価上昇
GEベルノバの株価は、7月28日の取引で一時下落しましたが、最終的には0.5%高の647.66ドルで引けました。同日のS&P500指数は0.02%の小幅上昇、ダウ平均は0.1%の下落でした。
同社株は過去1か月で24%、年初来で96%、1年間で272%も上昇しており、すでに大きく上昇していたことが背景にあります。
米国みずほとグッゲンハイムが格下げを発表
米国みずほ証券のアナリスト、マヒープ・マンドロイ氏は、GEベルノバ株を「買い」から「ホールド」に格下げしました。理由としてはバリュエーション(株価評価)の高さを挙げています。ただし、目標株価は従来の412ドルから670ドルへと大きく引き上げられました。
また、グッゲンハイムのジョセフ・オーシャ氏も同日に「ホールド」へと格下げし、従来の目標株価600ドルを撤回しました。オーシャ氏は、同社の将来性には期待を寄せつつも「現在の株価は、2029年以降の楽観的な予想まで織り込んでいる」と述べ、リスクとリターンのバランスが取れていないと指摘しました。
成長が続く天然ガスと電力網部門
GEベルノバは、天然ガス発電用タービンを展開する「ガス」部門と、電力インフラ関連の「グリッド」部門の両方で好調です。
2025年第2四半期のガス部門の受注は前年同期比42%増、営業利益率は13.8%から16.4%に上昇しました。グリッド部門の売上は23%増加し、営業利益率も7.2%から14.6%に改善しています。
株価は割高か?将来への期待は続く
GEベルノバは現在、2027年の1株当たり利益(EPS)を18.79ドルと見込んでおり、これは市場平均を上回る水準です。S&P500構成銘柄の平均予想PERが約23倍であるのに対し、GEベルノバは34倍と割高感があります。
しかし、オーシャ氏は2030年までにガスタービン価格が2024年比で71%上昇すると予測しており、電力インフラ需要の強さも継続する見通しです。
アナリスト評価は依然として強気
ファクトセットのデータによれば、GEベルノバ株に対するアナリストの「買い」評価率は65%に達しています。これはS&P500構成銘柄の平均(約55%)を大きく上回ります。
また、平均目標株価は7月初旬の約484ドルから637ドルへと上方修正されており、市場の期待の高さがうかがえます。
今後の注目ポイント
GEベルノバのビジネスは、世界の電力需要の変化や再生可能エネルギーとのバランスの中で重要な役割を担うと見られています。現在の株価は割高に見える一方で、長期的な視点では魅力的な成長性を秘めています。投資家は、その未来への期待と現在の価格のバランスを見極める必要があります。
*過去記事「GEベルノバ株が急騰!好決算とAI電力需要の恩恵とは」