月面着陸を成功させたファイアフライ・エアロスペース、IPO準備を本格化

  • 2025年7月29日
  • 2025年7月29日
  • BS余話

民間宇宙開発企業ファイアフライ・エアロスペース( Firefly Aerospace)が、ナスダック市場への新規株式公開(IPO)に向けた準備を進めています。同社は2025年3月、月面着陸機「ブルーゴースト」による歴史的な月面着陸を成功させ、大きな注目を集めました。

企業評価は55億ドル規模、最大6億ドル超を調達へ

米テキサス州シーダーパークに拠点を置くファイアフライは、16.2百万株を1株あたり35〜39ドルで売り出す計画です。調達額は最大で6億3,180万ドルに達する見通しで、公開後の時価総額は最大55億ドルにのぼります。株式は「FLY」というティッカーでナスダックに上場予定です。

主幹事にはゴールドマン・サックス、JPモルガン、ジェフリーズ、ウェルズ・ファーゴ証券など、ウォール街の大手が名を連ねています。

NASAとの連携で注目集めたブルーゴースト・ミッション

ファイアフライの「ブルーゴースト・ミッション1」は、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)計画の一環として実施されました。このミッションでは、10個のNASA機器を月面に運び、14日間の地表活動と5時間の月夜活動を無事に完了しました。契約額は1億210万ドルで、科学技術の実証に大きく貢献したと評価されています。

同社は、「月面軟着陸を達成したのはこれまでアメリカ、中国、ロシア、日本、インドの5か国のみであり、ファイアフライはその領域に足を踏み入れた」と誇らしげに述べています。

業績は赤字続くも売上は急増

2025年3月25日までの3か月間における売上は5,586万ドルで、前年同期の830万ドルから大幅に増加しました。一方で損失は6,010万ドルと前年の5,280万ドルからやや拡大しています。

2025年は宇宙関連IPOが相次ぐ年に

近年停滞していた宇宙関連企業のIPOですが、2025年は動きが活発化しています。今年はすでにカーマン・ホールディングス(KRMN)やボイジャー・テクノロジーズ(VOYG)が上場しており、カーマン株は年初来で約69%上昇しています。一方、ボイジャー株は28%下落と明暗が分かれています。

宇宙関連ETF「ルネサンスIPO」も年初来6.5%の上昇を記録しており、投資家の関心が再び高まりつつある様子がうかがえます。

ライバル企業との比較も注目ポイント

ファイアフライのライバル企業であるインテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は、過去の月面ミッションで一定の成功を収めたものの、2025年3月の第2ミッションでは着陸後24時間以内に終了する結果となり、技術的課題を抱えています。

一方で、ファイアフライは初の月面ミッションで成果を残しており、今後の開発・契約の獲得においても優位に立つ可能性があります。

今後の展開に期待高まる

宇宙産業の再加熱が注目される中で、ファイアフライ・エアロスペースのIPOはその象徴とも言える存在です。商業月面探査の時代において、どこまで成長できるかが今後の焦点となります。投資家としても、宇宙という新たな成長分野への門戸が開かれるタイミングとなりそうです。

*関連記事「ボイジャー・テクノロジーズが上場初日に84%上昇!宇宙・防衛分野に再び熱視線

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