フィグマがIPOで注目集める中、アドビも見逃せない存在に

2025年7月28日、米メディア「バロンズ」は、ソフトウェアデザイン企業フィグマのIPOと、それに伴うアドビ(ADBE)の株式市場での評価について詳しく報じました。フィグマは今週、ニューヨーク証券取引所に上場する予定で、注目のユニコーン企業として投資家の関心を集めています。

フィグマの時価総額は最大190億ドルに

フィグマはIPOを通じて36.9百万株を発行し、最大で約12億ドルの資金調達を見込んでいます。公開価格の想定レンジは当初の25〜28ドルから30〜32ドルに引き上げられ、企業評価額は最大で190億ドルとなる見通しです。これは、かつてアドビがフィグマの買収を試みた際の提案額200億ドルに迫る水準です。

欧州の規制当局の反対により合併は頓挫しましたが、フィグマは独立企業としての道を選び、再びアドビと市場で競う構図となりました。

IPO市場の追い風を受けるフィグマ

フィグマの上場は、最近の好調なIPO市場の流れに乗っています。ステーブルコイン発行のサークル・インターネット・グループ(CRCL)やAIクラウド企業コアウィーブ(CRWV)など、2025年に上場した企業は軒並み好調なパフォーマンスを見せており、フィグマもそれに続くと期待されています。

S&P500種株価指数やナスダック総合指数が史上最高値を更新する中、投資家心理は明るく、フィグマにとっても良好な市場環境が整っています。

アドビは「終わった企業」ではない

一方で、フィグマの上場により注目が集まるのがアドビの株価動向です。ここ1年間で株価は30%以上下落していますが、複数のアナリストは依然として同社の成長余地に注目しています。

D.A.デビッドソンのギル・ルリア氏は、フィグマ、アドビ、Canvaといったデザインソフト企業は、創造ツールの民主化とデジタルプロダクト需要の高まりを背景に、共存しながら成長できると述べています。

また、ギミークレジットのデイブ・ノヴォセル氏は、アドビの収益性と健全な財務体質を評価しており、今後も魅力的な買収機会を活用できるとの見解を示しています。

アドビ株には見直しの余地

BofA証券のアナリスト、ブラッド・シルズ氏は、アドビが先月業績見通しを引き上げたことに注目しています。AI関連収益が徐々に成長率を押し上げるとの期待があり、長期的には再評価される可能性があります。

現在のアドビ株は予想PER18倍と割安感があり、今後3年間の平均的な年成長率は13%と予測されています。フィグマの上場成功は、アドビの実力が再評価される契機になるかもしれません。

まとめ:IPOはフィグマ、でも投資対象はアドビも

フィグマの華々しいデビューは市場の注目を集める一方で、アドビのような老舗企業にも再評価の余地があることを示しています。短期的な話題性だけでなく、長期的な成長力と財務基盤を兼ね備えたアドビへの注目も今後高まる可能性があります。

上場直前のフィグマと、評価修正のタイミングを待つアドビ。投資家にとって、どちらも目を離せない存在となっています。

*過去記事「フィグマがついにIPOへ!注目のデザインソフト企業が上場準備

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