2025年7月27日、米メディア「バロンズ」は、原子力エネルギーが低炭素社会への移行を支える重要な柱として再注目されている現状を報じました。アマゾンやメタ、アルファベットといったビッグテック企業が原子力の導入に前向きであることを背景に、関連銘柄が活況を呈しています。
原子力関連ETF「NLR」が48%上昇
原子力およびウラン関連株に分散投資できるETF「VanEck Uranium & Nuclear(NLR)」は、2025年に入ってすでに48%の上昇を記録しています。7月第4週末には120.85ドルで取引を終え、テクニカル分析の観点ではさらなる上昇が期待されているとのことです。
同ETFは、分散性が高く、特定銘柄に偏らない設計が特徴です。中でもコンステレーション・エナジー(CEG)が7.5%の組入比率を占めており、より集中度の高いGlobal X Uranium ETF(URA)とは一線を画しています。
先進原子炉開発のオクロ
オクロ(OKLO)は先進的な小型モジュール炉(SMR)の開発企業で、2025年に入ってから株価が250%以上上昇しています。同銘柄はNLRの構成銘柄でもあり、テクニカル的には70ドルを超える「カップ・ウィズ・ハンドル」の形状からブレイクアウトしており、今後90ドル、さらに100ドルの大台突破も視野に入る展開と見られています。
BWXテクノロジーズの堅調な推移
アメリカの防衛・原子力技術大手BWXテクノロジーズ(BWXT)は、年初来32%上昇し、7月25日には147.96ドルの過去最高値を更新しました。4つの弱気サインとも取れるローソク足パターンを乗り越えた同銘柄は、引き続き185ドルを目指す動きが期待されています。
防御的な選択肢「PEG」
公共サービス企業パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PEG)は、ニュージャージー州内に3つの原子力発電所を持ち、やや防御的な立場の原子力関連銘柄といえます。同社の株価は87.66ドルで取引を終え、チャート上では「カップ形成」の右側を描いている状況です。目標株価は95ドル、その後は中期的に115ドルまでの上昇が見込まれるとのことです。配当利回りも約3%と魅力的です。
おわりに
AIやクラウドの電力需要が急増する中、原子力エネルギーの重要性が見直されつつあります。バロンズが紹介した銘柄はいずれも中長期での成長が期待されるものばかりです。ETFを通じて分散的に投資する方法も、リスクを抑えながらトレンドに乗る手段として有効といえます。今後の動向にも注目です。