1ドルでお宝ゲット?米国発「ビン・ストア」の驚きのビジネスモデル

  • 2025年7月27日
  • 2025年7月27日
  • BS余話

アメリカ各地で「ビン・ストア(Bin Store)」と呼ばれる新しいタイプの格安小売店が急増しています。これは、アマゾンやウォルマートといった大手小売店の返品商品や在庫過剰品を仕入れ、木製の大きな箱に分類して販売する業態です。価格は週の初めには1商品あたり7~15ドル程度からスタートし、日にちが進むにつれて1ドル以下にまで値下がりするのが一般的です。

インフレ時代の新しい「節約術」

このビン・ストアの人気の背景には、パンデミック以降の物価高があります。とくに中低所得層の家計にとっては、生活必需品以外の出費を抑えることが重要であり、ビン・ストアはそうしたニーズに応える存在として支持を集めています。

例えばニューヨーク州の店舗「Crazy Mad Dealz」では、仕事帰りに毎日のように立ち寄る常連客が、定価150ドルの自動車部品をわずか3ドルで手に入れたというエピソードも紹介されています。

「宝探し」としての楽しさも魅力

ビン・ストアの特徴は、価格の安さだけではありません。商品は開封されておらず、中身が何かわからない状態で販売されることが多いため、買い物自体が「宝探し」のような体験になります。この要素は一般消費者だけでなく、安く仕入れて再販する転売業者にも支持されています。

急成長する業態、だが課題も存在

このようなモデルを活用して、すでに全米で約40店舗を展開する「Black Friday Dealz」のようなチェーンも登場しています。同社は年間で1億4,000万ドルの売上を上げており、さらなる拡大も視野に入れているとのことです。

一方で、成長にはリスクも伴います。例えば、小売企業が返品商品を再販する動きが加速すれば、ビン・ストアに流れる在庫が減る可能性があります。また、店舗数の増加による競争激化や、中国からの輸入品に対する新たな関税も、事業の安定性に影響を与える可能性があります。

家計防衛のための現実的な選択肢

現在、2020年と比べて米国の物価は24%以上上昇しています。インフレの影響は低所得層ほど大きく、通常の小売店では手が届かないような日用品も、ビン・ストアなら入手可能という現実があります。

この話を通じて見えてくるのは、アメリカ社会の中でビン・ストアが単なる「お得な店」ではなく、「生活を守るための選択肢」として機能しているということです。買い物が娯楽ではなく、生存戦略になりつつある時代において、こうした新業態の存在感は今後さらに高まっていくかもしれません。

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