テスラ決算にアナリストは強気、しかし投資家は慎重な姿勢

2025年7月24日、米マーケットウォッチは、テスラ(TSLA)の第2四半期決算発表を巡る市場の反応を紹介しました。多くのアナリストが同社の将来性に期待感を示す一方で、投資家の間では警戒感が広がり、株価は大幅に下落しています。

決算内容は予想通りも、マスク氏の発言が波紋

テスラの決算は市場予想とほぼ一致する内容でしたが、イーロン・マスクCEOが「今後数四半期は厳しいものになる可能性がある」と発言したことで、市場心理に冷や水を浴びせました。この発言を受けて株価は一時8.9%下落し、約2週間ぶりの安値水準まで下落しました。

アナリストは将来の成長に注目

それでもウォール街の一部アナリストは前向きな見解を崩していません。ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏は、「EV市場は厳しいが、ロボタクシーの展開に向けた進捗が明確になっている」と指摘しました。テスラは2025年末までに米国人口の半数を対象に自動運転ライドシェアサービスを展開する目標を掲げています。

また、同氏は期待外れだったフリーキャッシュフローについても、「AI、ロボティクス、バッテリーへの戦略的投資の結果」と捉え、ポジティブに評価しています。

バランスシートの健全性と将来投資への期待

ベンチマークのマイキー・レッグ氏も短期的な懸念より、テスラの潤沢な資金力と長期成長への備えに注目しています。同社は現時点で370億ドルの現金および投資資産を保有しており、新型の低価格EVやロボタクシー、AIチップ、ヒューマノイドロボット「オプティマス」などへの開発投資を積極的に行えると強調しています。

レッグ氏は、「投資家は短期的な困難を乗り越え、2025年後半の新型モデル投入や、2026年後半からのロボタクシーによる収益化、さらにはオプティマスの大規模生産といった機会に目を向けるべき」と述べています。

EV事業の減収は予想よりマシ? 市場は楽観も

EV事業の売上は前年同期比で16.2%減少し、166億6,000万ドルとなりましたが、Investing.comのトーマス・モンテイロ氏は「想定より悪くなかった」と分析しました。関税の影響が懸念されていた中で、予想を上回る売上を記録したことは一定の安心材料となったようです。

一部アナリストは課題を指摘

一方で、CFRAのギャレット・ネルソン氏は、マスク氏の発言が自身の懸念を裏付けたと述べています。とくにトランプ大統領による新たな税制改革がテスラに与えるマイナスの影響を重視しており、目標株価を320ドルから300ドルへ引き下げました。

平均目標株価はすでに現在株価を下回る水準

ファクトセットによると、テスラをカバーするアナリスト54人の平均目標株価は315.53ドルであり、決算発表前の終値332.56ドルよりも5.1%低い水準となっていました。今回の株価下落により、実勢価格はすでにこの平均目標株価を下回っています。

今後の焦点は新モデルとロボタクシー

短期的には不確実性がある一方、ロボタクシーや新たな低価格モデル、AI関連製品の開発が進展すれば、再びテスラに対する投資家の期待が高まる可能性があります。市場はこれらの進捗と、マクロ環境の変化を注視しています。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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