アマゾンがBeeを買収、AIブレスレットで個人向けハードに参戦

2025年7月23日付の米メディア「バロンズ」は、アマゾン(AMZN)がAI搭載のウェアラブル端末を手がけるスタートアップ「Bee」を買収すると報じました。アップルやメタといった大手テック企業と並び、アマゾンも個人向けAIデバイス市場への本格参入を目指す動きです。

会話をAIで活用、Beeのウェアラブル技術とは

買収対象となったBeeは、日常会話を記録・文字起こしし、AIによってToDoリストやリマインダーの作成などを支援するウェアラブル・ブレスレットを提供しています。価格は50ドルで、月額課金モデルを採用しています。

今回の買収はまだ最終契約には至っておらず、アマゾンの広報担当者も詳細な買収額については明かしていません。ただし、Beeは昨年700万ドルの資金調達を行っており、比較的小規模な買収であると考えられます。

スマホに代わるAI体験を目指す動きが加速

個人向けAIデバイスの分野では、オープンAIがアップルの元デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏のスタートアップを64億ドルで買収する方針を発表したほか、メタ・プラットフォームズ(META)とアイウェア企業エシロールルックスオティカ(EL)が共同開発した「Ray-Ban Meta」も販売が好調です。すでに200万本以上が販売されており、「AIグラス」としてブランド展開が進んでいます。

一方で、アップルはiPhoneやApple WatchへのAI機能統合に慎重な姿勢を見せており、ライバル企業には市場シェアを広げるチャンスともなっています。

プライバシーと価格の壁、先行企業の苦戦も

とはいえ、こうしたAIデバイスには課題もあります。常時録音によるプライバシーへの懸念や、スマートフォンと併用される前提での価格設定の難しさなどが挙げられます。

実際、2023年に「Ai Pin」を発売したスタートアップのHumaneは、高価格(700ドル)と技術的課題(過熱やバッテリー持続時間の短さ)により失敗に終わり、最終的にHP(HPQ)に資産を売却しました。

アマゾンをはじめとする各社は、こうした前例から教訓を得つつ、より洗練されたAI体験を提供する製品を模索している段階です。

今後の注目点

今回のBee買収が成立すれば、アマゾンにとってはAlexaに続く次世代のAIプラットフォーム構築につながる可能性があります。個人向けAIの主戦場がスマートフォンからウェアラブル端末にシフトする中で、各社の戦略と製品開発競争から目が離せません。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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